小型分散型太陽光発電
いろいろな再生可能エネルギーによる発電がほぼ実用化され、大規模な風力発電や太陽光発電の設備が建設されるようになりました。これは、見方を変えれば一つの場所に発電設備が集中したものと考えられます。一方で比較的小型の設備をいろいろな場所に分散して建設し、これらをまとめて大きな発電設備とするような方法も見直されています。このようにして太陽光発電を行う方法は小型分散型太陽光発電と呼ばれています。そもそも大規模な発電設備が求められた背景には、太陽光に限らず、規模が大きいほど効率がよくなるという理由があります。それをある程度犠牲にしても分散して建設するのは、効率の低下を補ってなお別のメリットがあるためです。大規模な設備の建設は1件ごとに計画、設計、用地の確保、建設、設置などが長い時間をかけて行われます。これに対して小規模な設備をたくさん作る場合、同じ工程が使い回しでき、立地条件に合わせた規模で作れば用地の確保もしやすくなります。また、機器が小型になることで冷却方法が簡素化できます。故障が起こってもすべての設備が停止しないので信頼性も向上します。さらに、太陽電池パネルをはじめとするさまざまな機器の性能向上、通信技術などの発達により各設備を高度に連携させることができるようになったことなどにより、小型分散型太陽光発電に有利な条件が整いつつあります。