重心
物体に力を加えるとき、真ん中を押すようにするとその方向に移動しますが、端を押すようにすると回転しながら移動します。ある物体をつくっている物質にはそれぞれに質量(重さ)があり、その質量を総合したものの中心を重心といいます。物体に加える力が物体の重心に対して直線上にあるとき、物体は回転せずに移動し、加える力が重心からそれているとき、物体は回転しながら移動します。ある物体が地震で横に揺れるとき、物体が地面に接している部分に水平方向の力が加わります。このとき加わる力は物体の重心から離れているので、物体は回転し(傾き)、この角度がある程度以上に大きくなると物体は倒れます。このような考え方で、キュービクルや配電盤のような電気設備の質量や重心の位置、加わる力の大きさや、重心からの距離などがわかっていると、傾かせる力や、どれだけ傾いたら倒れるかを計算によって求めることができます。このような理由から、いろいろな電気設備や機器の重心の位置を知っておくことは大変重要なのです。