熱交換器
暖房器具の一つにオイルヒーターというものがあります。多くのうすいフィン(ひれ)を持っていて、それぞれのフィンには暖められたオイルが通っています。これによって周囲の空気に触れる面積を大きくし、暖められた空気の自然な対流によって暖房します。変電所に設置された大きなトランスにはこれとよく似たものがついています。ただし、その目的は暖房ではなくトランスの冷却です。また、自動車にはラジエータというものがあって、エンジンで熱せられた冷却水を表面積の大きなラジエータに通して、ファンであおいで冷やしています。このようにすることで、エンジン自体をファンであおぐよりもずっと大きな熱量を空気中に逃がすことができます。つまり、冷却の効率がよくなります。温度差のある物体の仲立ちをして、熱の伝わる効率をよくするためのしくみを熱交換器といいます。エアコンは室内機、室外機のそれぞれに熱交換器があり、離れた場所へ熱を運んでいますが、通常の熱交換器とは逆の方向に、強制的に熱を移動することで暖房や冷房を行っています。このようなしくみはヒートポンプと呼ばれ、熱交換器とともに広く使われています。