中性点接地
家庭で使われる機器にはアース(接地)線がついたものがあります。これを使って機器の金属部分を大地と同じ電位にしておくことで、感電や漏電による事故を防いだり、電気的なノイズを軽減したりすることができます。このような使い方をするため、交流100Vの片側1線は電源側でも接地されています。これによってもう一方の線は常に大地に対して100Vであることになります。詳しくいいますと、単相交流200Vの半分(電気的に中立となる)の点を中性点として接地すると、両端の電圧はどちらも接地点から100Vになり、これを100Vの単相交流として使います。このような接地方法を中性点接地といいます。大電力を使う機器のためには、両端の電圧を用いて200Vの単相交流として使います。さて、工場などで使う3相交流は3本の電線で送られますが、電気的に中立な4番目の線(中性線)を作って、3相交流を4本の電線で送ることもできますが、3相交流のバランスが完全である場合、この中性線には電流が流れません。このため、この線は省略されるのです。しかし、電源側では現実に電気的に中立な中性点が設けられて、安全のためにこれを接地しています。これも単相交流の接地と同じ考え方で、中性点接地といいます。なお、3相交流200Vの変圧器の2次側では、中性点が設けられていない場合、3線のうち1線を接地することになっています。