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A-Z(アルファベット)
  • AM(エアマス)

    太陽光が地上に届くまでに通過する大気の量をエアマス(Air Mass)といい、AM(エアマス)で表記します。太陽光は大気を通過中に空気などの分子によって散乱や吸収の影響を受けるので、地上に届いた光は弱くなります。吸収の影響は特定波長だけで起きますが、散乱による影響は全ての波長で起き、主に短波の領域で減衰量が大きくなるのです。この減衰量は波長による変化だけでなく、大気の状態によっても大きく変わります。AMの後に付ける数字は通過する大気の量を表しており、AM0は大気の通過がない大気圏外での太陽光スペクトルです。AM1は地上に垂直入射した時のスペクトルです。地球の表面は大気がほぼ一定の厚さで覆われているので、垂直入射の場合の太陽光は最短距離で地上に届き、通過する大気の量が一番少なくなります。また、入射角が低くなるにつれ、AMの数値が大きくなっていきますが、AMの値が一定となると発電量が正確に測定できます。「AM1.5」が標準で使用されていますが、AM1よりも空気層が1.5倍長く通ることになるので散乱や吸収の量はその分増加し、太陽高度は約42度に相当します。

  • B-NET

    B-NETとは、三菱電機株式会社の配電制御機器用伝送信号ネットワークの規格です。電力デマンドの監視制御、ビル工場などの配電系統の計測表示や監視など電機設備全般の監視、制御を行うことができます。接続台数は63台、伝送速度は9600bps、最大伝送距離は1000m、データ転送量は最大16バイトです。使用例として、エネルギー情報をデータ収集サーバーへB-NET伝送する、モーターなどの設備の稼働状態を監視システムへB-NET伝送するなどが考えられます。端末の接続台数が1系統63台を超える場合やB-NET伝送の伝送距離の延長を行う場合は、B-NETアドレス拡張ユニットが必要ですが、コントローラーによってはアドレス拡張ユニットを使用できないものもあります。

  • CC(コントロールセンター)

    CC(コントロールセンター)とは、主回路における開閉器、保護装置および監視・制御装置などを機能ユニットごとに閉鎖した箱型のキャビネットに組み込んだ装置のことです。機能ユニットとは、機能を満たすために必要な主回路及び補助回路の装置を備えたCCごとの構成単位です。機能ユニットは、段積み状態でキャビネット内に組み込まれており、受電ユニットやモータユニット、フィーダユニットなどそれぞれの機能があります。CCは、電圧600V以下の低圧の電路に接続されていて、発電機や抵抗の負荷などが開閉及び保護されることを目的としています。公共事業のインフラである発電所・上下水処理場・塵処理場や、鉄鋼・製紙・石油精製などを監視・制御しており、国民生活にとって重要な役割を陰ながら担っています。

  • CC-Link

    CC-Linkとは、三菱電機株式会社が中心となってPLCとインバーターやモータなどのFA機器をつなぐ、比較的オープンソースのフィールドネットワークです。生産ラインをコントロールするために必要な制御情報と通信情報を同時に伝送することができ、従来のネットワークシステムと比較して省配線や、入出力信号のスムーズ伝達が行えます。国内外の100社以上のFA機器メーカーがccーLinkに対応した機器を製造販売しています。冒頭で比較的オープンなソースと記載したのは、提唱元の三菱電機株式会社にパートナーメーカーとして会員申請をすることで、ccーLinkについての技術の公開を受けることができるからです。この技術公開情報を基にcc-Link対応した製品を各メーカーは開発することが可能になります。また、cc-Linkに対応した製品を開発した後は、他のFA機器との接続後のテストを三菱電機株式会社が試験を行っています。日本国内においてccーLinkは代表的なネットワークのひとつとなっています。

  • CVCF(定電圧定周波数装置)

    CVCF(定電圧定周波数装置)とは、電気使用量の増減に伴う負荷変動や電力供給側の品質変動による電圧や周波数の変動に対して同期せず、常に一定の電圧と周波数の高品質の交流電源を供給するための装置です。情報通信機器やコンピューター等は不安定な電圧、周波数の影響を受けシステムエラーやネットワークエラーなどが起きることがあるため、高品質の電源確保を目的としてCVCF機能のある電源装置が使われます。また、周波数の変換(50Hz←→60Hz)変換が可能な製品もありますので、周波数変換装置として利用される場合もあります。現実にはCVCF機能のついたUPSやバッテリーを内蔵したCVCF等の製品があるため、UPSとCVCFは区別が難しくなっているのが現状です。

  • CVTケーブル

    CVTケーブルはCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)を3本撚り合わせて作られたケーブルです。CVケーブルとの比較において、CVTケーブルは3本撚りのため曲げ易い点、撚りをほどくと端末処理が容易になり、作業が比較的容易にできる点、それぞれの電線が個別にシース保護されている構造により、ケーブルに事故が発生した場合でも短絡しにくい点などが長所として挙げられます。ただし、一本のケーブルCVケーブルに比べ、3本撚り合わせられたCVTケーブルは放熱性能が悪くなるために、同一径で比較すると許容電流値が少なくるという短所があります。このような特徴を持つため、幹線設計する場合にはCVTケーブルが主に使われます。

  • CVケーブル

    CVケーブルは、銅またはアルミを導体とし、絶縁体に架橋ポリエチレンが使われています。外側は銅テープとビニルシースで覆われた構造になっていて、電力用ケーブルとして、住宅や工場、商業用施設、学校など様々な規模の建築物で広く使われる、高性能、高信頼性のケーブルです。耐熱性(最高許容温度が90℃、短絡時許容温度も230℃)にも優れ、耐光性、耐水性にも優れることから屋外での使用も可能です。また、屋内使用で20〜30年屋外使用でも15〜20年の寿命を持っています。ただし、ケーブルシースの内側に巻かれた銅テープが、極端な屈曲で剥がれることでシールド異常が発生することがありますので注意が必要です。また、高圧用のCBVケーブルは低圧用に比べ、絶縁性の向上のため外装が厚くなるため、電線管の選択で注意が必要となります。のCVケーブルを撚り合わせて、CVD(2本撚り)、CVT(3本撚り)、CVQ(4本撚り)等ケーブルもあり、電気方式にあった利用がなされています。

  • GIS(ガス絶縁開閉装置)

    GIS(ガス絶縁開閉装置)とは、変電所や発電所に設置される断路器や遮断機を接地された金属製の密閉容器に収納し、無害で絶縁性能や消弧性能に優れた不活性ガスの6フッ化硫黄(SF6)ガスを充填した設備のことを言います。GIS(ガス絶縁開閉装置)は0.3~0.6MPaのガス圧を標準化したことで大幅な縮小化が可能となります。また、密閉気容器を用いたことで、内部の汚損を防ぐことができ、信頼性が高く、充電部が露出しないことにより安全性の向上や保守点検の省力化が可能な設備となります。GISはSF6ガスの管理が重要となります。SF6ガスの圧力は0.3MPaで絶縁油と同等の絶縁性能を持つため、ガス圧力が低下すると絶縁性能が低下します。そのため、ガス圧力の低下を検知し、警報の発報および遮断機の開閉ロック機能が必要となります。その他にもSF6ガス中の水分の管理(ガス中の水分量が増えると絶縁物表面に結露が発生しやすくなり、絶縁耐力が低下するため)やガス成分の管理が必要となります。

  • IKLマップ

    年間雷雨日数分布図は、英訳Isokeraunic Level Mapを略してIKLマップといいます。IKLマップは日本を緯度および軽度15分間隔で区切った地域における年間雷雨日数をもとに作成されています。例えば、落雷による停電等の運用障害を避けるために、情報システム(無線中継局等)や送電線等の設計時に耐雷設計の資料として使われています。最近は、電力会社などは電力の安定供給、すなわち、システム稼働率の向上を目指すため、雷雨日数を基に作成されたIKLマップよりも精度の高い分布図が必要となってきました。そのため、落雷が発生した時刻と地点を観測するシステムを取り入れ、独自のマップを作成し落雷頻度の推定を行っています。

  • JEC

    JECとは電気規格調査会の略称で、英語名であるJapanese Electrotechnical Committeeの頭文字を取ったものです。電気規格調査会とは一般社団法人電気学会が擁する、工業製品における規格を制定している機関で、JECとは規格名でもあります。JEC規格は、平成27年度時点で約100種類の規格があり、各規格は現状に合わせて改正等が行われています。最近ではJEC規格が社会に認知されてきたため、公共工事等の仕様書において記載されることが多くなってきました。そのため、受注者は規格の内容を把握するとともに、規格を満足する機器の選定が必要になってきています。なお、JEC規格は電気学会の電子図書館にて概要を閲覧することができます。

  • JEM

    一般社団法人日本電機工業会(JEMA)が制定・運用している規格にJEM規格があります。JEMAとは国際規格のIECやISO、日本工業規格(JIS)や他団体規格の審議および制定を行うことで、電気機器の品質や技術の向上を支えている団体です。JEM規格はJEMAの取扱製品基準表に定める電気機器の設計、製造、試験および使用に関する事項について制定しています。JEM規格は日本の電気機械販売会社の団体規格として、制御装置や継電器の委員会、専門家により標準化が進められ、盤に関連した規格が数多くなっています。JEMAは、国際規格のISO等に、日本の規格を考慮してもらえるよう日々活動しています。公共工事等の仕様書においては記載されることが多いので、規格を満足する機器の選定が必要になります。

  • JIS

    日本工業規格(Japanese Industrial Standards)、略称JISは工業製品などにおける規格の標準化を目的とし、工業標準化法により制定されました。工業製品などだけではなく、例えばIT関連の情報処理や文字コードなどの規格も含まれるなど、大変幅広い分野のものがJISにより規定されています。規格は技術の進歩に合わせ、常に最新のものとなるように、制定や改正から5年以内に見直しが行われています。各規格の標準化が行われることによって、製品の品質の向上や安全性の確保をすることが出来ます。規格はアルファベット(1文字)と数字(4~5桁)で確認することができます。例えば「JIS S 5504」は「ノートブック」の規格を指し、品質の外観に関する項目では「教育上好ましくない図柄を施してはならない」と細かいことまで定められています。

  • JSIA

    一般社団法人日本配電制御システム工業会の略称をJSIAと言います。JSIAでは制御盤、分電盤、配電盤、その他電気関連盤や配電制御システム事業の発展を図るため、日本産業の振興と安全の確保や生活の向上に貢献することを目的としている団体となります。JSIAの成り立ちは、配電盤関連のメーカーが、全国配電盤工業会連絡協議会を結成(昭和48年7月)し、昭和57年11月に社団法人の許可を経済産業省(当時:通商産業省)から受けました。日本の配電盤メーカーの多くが所属しており、賛助会員は28社、正会員は352社にも及ぶ大きな団体です。また、JSIAが制定しているものにJSIA規格があり、JSIA規格が社会に普及してきたため、2010年より公共建築工事標準仕様書に、引用されることとなりました。

  • KIPケーブル

    KIPケーブルとは6,600Vキュービクル式受電施設内や高圧盤内配線、高圧電気機器内配線など使われる、屋内用の高圧絶縁電線です。すずメッキ軟動線をエチレンプロピレンゴム(EPゴム)で覆った高圧用電線で、必要に応じてセパレーターが導体と絶縁体の間で使われます。可とう性に優れているため折れにくく、取り回しが容易な点、耐熱性(80℃)、耐トラッキング特性(高電圧下において導電路形成による破損を防ぐ)に優れている点が特徴です。製造メーカーとして、フジクラ・ダイヤケーブル、昭和電線ケーブルシステム、住友電工産業などが挙げられます。電線第一種電気工事士技能試験ではこのケーブルを使って単相変圧器、三相変圧器、高圧遮断器、電流計切換開閉器等の接続の実技試験に、このKIPケーブルが使われます。

  • Modbus

    Modbus(モドバス)とは、Modbus Protocolを実装したネットワークのことです。Modbus Protocolは、1979年にModicon社が自社のプログラマブルロジックコントローラーのために開発したものであり、その仕様は一般公開されています。またシンプルであるため、工場における生産工程の自動化を図るファクトリーオートメーションや、液体や気体など流体を扱うプラントを一元制御するプロセスオートメーションなどで広く使われています。Modbus Protocolは通信プロトコルだけが定義されており、通信媒体は規定されていません。一般的に物理レイヤとしてはRS-232やRS-485が使用されます。

  • NAS電池

    NAS電池は日本ガイシ(株)が初めて世界で実用化した電力貯蔵システムです。正極に硫黄(S)、負極にナトリウム(Na)、電解質にファインセラミックスを用いて、硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す二次電池です。メガワット規模の電力貯蔵能力を持ち、定格出力で7時間相当の運転が可能で、複数のモジュールを直並列にすることでさらなる大容量化も可能です。エネルギー密度は鉛蓄電池の約3倍と高く、少ないスペースに設置することができます。長期耐久性(約15年)に優れており、自己放電も起こりません。容量に比して安価に設置できます。システムのリモート監視が可能で、メンテナンスが容易です。以上のような長所を持つ一方、短所としては、作動させるためには300度という高温が必要な点と、ナトリウムと硫黄という危険物を使用するため、安全の確保と事故の際の対応に留意する点が挙げられます。今後、NAS電池は電力負荷平準によるピークカット、再生可能エネルギーの安定利用に役立ち、節電対策やエネルギー費用の削減などへの貢献が期待されています。

  • PAS(気中負荷開閉器)

    電柱に設置されることが多く、Pole Air Switchの略称でPAS(気中負荷開閉器)と呼ばれています。架空引込方式の場合にPASが設置され、電力会社と高圧需要家の責任分界が分かるようになっています。開閉器は、スイッチのように電流が流れている回路の切り離しが出来る開閉装置です。遮断器の役割はないので大電流は切り離すことができないため、一般的な負荷電流が流れる場所で設けられています。PASの機能は電源を確保されていないと意味がありません。一般的に、PASは制御用変圧器を内蔵し、高圧の電線路から電源を確保するものと、低圧盤から電源を供給しているものがあります。低圧盤から電源供給を行う場合、変圧器や低圧の電線路が事故により停電すると、PASへの電源も失ってしまうため事故点より上位に遮断器等がなければ、配電線波及事故に繋がってしまいます。PASの電源が確保されていれば、過電流トリップにより、波及事故を防止することができます。PASは地絡継電器付きや避雷器付きなどがあり、波及事故を防止するためにも設置は重要です。

  • PFD管

    PFD管はPF管を2重(2層)にしたものです。PF管と特徴は同じですが、2重にしたことによりPF管以上の耐熱性があり隠蔽配管はもちろん露出配管にも使用することが出来る、合成樹脂可とう電線管となります。合成樹脂製の可とう電線管には、大きく分けてPF管(PFD管を含む)とCD管があり敷設箇所によって使い分けることが重要となります。PF管は自己消火に対応している耐燃性ですが、CD管は自己消火性がない非耐燃性なので埋設配管などの隠蔽箇所で使用されます。なお、CD管はオレンジ色で識別されています。PF管はPlastic Flexible Conduit、CD管はCombined Ductから頭文字を取ったもので略称で良く呼ばれています。PF管はCD管と同じコンクリートに打ち込まれる部分のほか露出配管や土中埋設配管など、耐熱性を生かし様々な用途で使用されています。露出配管については、紫外線劣化などを考慮して、PFD管が主に使用されています。屋外使用の露出配管は内部の浸水および水が溜まらないように施工する必要があります。

  • RS-485

    RS-485とは、物理層の通信仕様です。通信プロトコルは規定されておらず、プロトコルを独自に規定して運用します。もともとアップル社のマッキントッシュで使用されていたシリアル通信であるRS-422を改良したものであり、マルチドロップ(同じバス上に複数のデバイスを接続すること)によって最大32台のデバイスまで同一のデータライン上で利用することができます。電気的特性はRS-422と同じであり、ともに1200メートルまでの伝送が可能です。マルチドロップ接続であるため、接続機器が各々のタイミングで送受信した場合データが破損してしまうため、マスター/スレーブ方式で通信プロトコルを規定することが一般的です。

  • UPS(無停電電源装置)

    UPS(無停電電源装置)とは、停電等の事故により電力供給が断たれた場合の電力供給のための電源装置です。現在の日本において、実感できる停電は、落雷や台風などの自然災害で起こる程度の稀なものとなっています。しかしながら、人が感じないレベルであっても、ほんのわずかの間の電力供給の停止(瞬時電圧低下)や電圧異常は高度に発達したコンピューターやネットワークに多大なる影響を与える場合があります。また、高速化するスーパーコンピューターの膨大な電力消費に伴うリスクを分散し安定運用するためにもUPSは大きな役割を果たしています。UPSは整流器やインバータなどの電力変換部と蓄電部(バッテリー)の組み合わせで構成されることが一般的です。停電や瞬時電圧低下が発生した際、蓄電池に蓄えられた電力を供給し続けるとともに、電力変換部の働きで電源品質を安定化し、異常電圧等の電源トラブルが電子機器に与える影響を最小限にします。

ア行
  • アーク放電

    アーク放電とは気体放電現象の一種です。2つの接触している導電体を引き離す時に、導電体の間を流れていた電流が空中を流れ続けようとする放電現象です。通電中のプラグをコンセントから引く抜く際に見られるスパークは、身近で見られるアーク現象です。アーク放電の特徴として、高温で強い光を発することが挙げられます。この現象を利用して、電気溶接や電気炉の熱源やスポットライトや蛍光管の光源として利用されています。また、近年では宇宙船の電気推進装置としての研究もなされています。ただし、放電により電磁波が発生しますので、電波を利用するテレビやラジオなどの機器に雑音や画像の乱れを生じさせるなど、放電が電子機器の回路に悪い影響を与えることがあります。また、強い光や高音が人体に大きな損傷を与える危険性もありますから注意が必要です。

  • アモルファス変圧器

    アモルファス変圧器は、従来の珪素鋼板が使われていた鉄芯に、アモルファス合金を使った変圧器です。特徴として、従来の珪素鋼板の変圧器より無負荷損(待機ロス)を約85%〜70%削減できることから、トップランナー変圧器2014の基準を大幅に超えた省エネ性能の高さが挙げられます。ただし、従来の変圧器に比べ大きい、重い、騒音がやや大きい等の短所もあります。アモルファス合金は、鉄や珪素、他のレアメタルなど3元素以上の素材を原材料にして、溶融状態からの急速冷却によってできる非結晶の金属です。原子の配列に規則性がなく、容易に磁化反転できるため、鉄心に磁束が通る際のエネルギー損失が少なく、珪素鋼板に比べ厚さが1/10、電気抵抗が3倍なため、渦電流が小さくなることで、無負荷損を減らすことができます。

  • インターロック

    インターロックとは、誤動作や操作の手順誤りなどを防ぎ安全性を高める機構のことです。連動装置。インターロックの代表的な例として、同時にオンにしてはいけない2つの電磁接触器があるときに片方の電磁接触器がもう一方をオンにならないようにする、特定の温度や圧力によってシステムを自動制御する、機器の操作を間違った場合でも特定の安全条件が満たされない場合はシステムが動作しない、などが挙げられます。インターロックはプラントや工業用ロボットをはじめとする様々な分野で実装されていますが、私たちの生活の中でも、電子レンジや洗濯機のドアの開閉状況と動作の関係、エレベーターのドアの開閉状況と昇降の関係というように目にする事ができます。

  • インバータ

    インバータとは、交流電源の電圧と周波数を用途に合わせて変換、或いは安定化させるための装置です。一般的に、発電所から工場や施設に送られる電源は交流電源であり、その電圧と周波数は一定です。この電圧と周波数を用途に合わせて変換、或いは安定化させるためにインバータは使用されています。例えば、発電所から送られる交流電源の電圧と周波数を変換してエアコンのコンプレッサーのモーターを駆動させたり、周波数のみを変換して蛍光灯、炊飯器や電磁調理器を稼働させたりすることが挙げられます。一方で、発電所から送られる交流電源の電圧と周波数を変換せずに、安定化させてコンピューター等の、微細な電圧・電流の変化により動作が停止したり破損したりしてしまう精密機器を保護する役割も担っています。

  • 引外しコイル

    引外しコイル(トリップコイル)とは、遮断機に内蔵される装置で、過電流継電器が電流を検知した際に主接点が閉じて電流が流れることで励磁してラッチ機構を外し負荷開閉器や遮断機を動作させるものです。引外しコイルの動作方式には、過電流継電器の場合に利用される変流器の電流を常に監視し、動作すると電流を引外しコイルへと流し遮断機を開放する電流式、遮断機開放用の電源装置が取り付けられており、継電器の動作時にその電源で引外しコイルを動作させ、遮断機を開放する電圧式、継電器が動作した場合に、コンデンサに常時充電されている電荷を利用して引外しコイルを動作させ、遮断機を開放するコンデンサ式があります。それぞれ引外しコイルを励磁させる電源をどこから取得するかによって区分されます。

  • インピーダンス

    インピーダンスとは、電気回路における電流値と電圧値の比を指しており、単位は抵抗値と同じオーム[Ω]が使用されます。例えば10V1Aであればインピーダンスは0.1Ωということになります。機器と機器を接続する際にこのインピーダンスを気にする必要があります。一般には、2つの機器のインピーダンスが揃っている場合に電気信号を最も効率的に送ることができるため、電気信号の送信効率を重視する場合は、2つの機器のインピーダンスを揃える必要があります(このことを、インピーダンス整合を取る、と表現します)。オーディオ機器等で、電気信号の送信効率よりも接続の簡易性を重視する場合は、インピーダンス整合を取らずに、例えば俗に「ロー出しハイ受け」と言われる、出力インピーダンスよりも入力インピーダンスが高くなるような設定にすることもあります。

  • ウィスカ

    ウィスカとは、金属の表面部分(メッキ層)に発生する糸針のような金属の結晶が何もしなくても大きく成長してしまう自然界の現象のことです。ウィスカは人の目では確認しにくいほど小さいため、これまではある程度、成長してからではないと存在に気付くことが出来ませんでした。スズメッキに多く発生しますが、亜鉛やその他の金属でも発生することがわかっています。メッキ直後は正常な表面であっても基盤をパソコン本体に装着したあとで、ウィスカが成長し問題を起こすこともあります。ウィスカは電気機器が世に出回った1950年頃から、端子間で短絡を起こし機械の故障原因になったことでウィスカ問題として広く認知されるようになりました。最近ではウィスカ対策のためにメッキの開発や端子カバーを取り付ける商品開発が進められています。

  • エネファーム

    エネファームとは、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」の愛称です。一般的な認知度を向上させる目的で、燃料電池実用化推進協議会 (FCCJ) が制定しました。家庭用ガスや灯油等から改質器により燃料の水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させ発電する燃料電池システムに、発電時に発生する熱を利用した給湯機能を併せ持つなコージェネレーションシステムです。停電時もガスの供給があれば自立運転が可能な点(一部製品は除く)や燃料電池のため発電時に二酸化炭素や有毒ガスの排出がない点、設置した住宅で発電するため、送電ロスが生じない点などが長所としてあります。反面、国や自治体の補助金制度が設けられているものの、価格が高く、設置・運転コストを光熱費削減効果で回収できない点、太陽光発電のように家庭内で発電した電気を売電することができない点、ガスから水素への改質時に二酸化炭素が排出される点などが挙げられます。さらなる価格低下と、燃料となるガスの価格安定が普及のカギとなることでしょう。

  • 遠方手動操作器

    遠方手動操作器とは、本体となる制御盤や装置から離れたところで、電気によって動く設備、機械、装置などの動作状態を、スイッチなどによって人為的に変化させる器具という意味がありますが、電気設備では特に「断路器の操作」を行うための器具を指していいます。これは、断路器が高電圧電力の供給を受ける設備の中で、最も電源側に近い位置で回路の開閉を行うという特別な役割を持っていることによります。このため断路器の遠方手動操作器には、高電圧の部分から離れた場所での操作によって安全を確保すること、断路器が開いてすべての電気が使用できなくなっても断路の操作が完了することなどの大変重要な役割があります。一見原始的に見えるようなバネ仕掛けによって断路の動作を行わせている遠方手動操作器が多いのも、断路器が持つ特別な役割によるものです。

  • 鉛蓄電池

    鉛蓄電池は、正極に二酸化鉛、負極に鉛、電解質に希硫酸を使った二次電池です。硫酸イオンの移動で放充電を行います。発生する電圧が単電池当たり2ボルトと比較的高いこと、電極の鉛が安いことが理由で、世界で最も生産量が多い二次電池です(国内では第2位)。自動車やバイクのバッテリーやフォークリフト、電気自動車の電源として使われています。また、産業用として、無停電電源装置や病院等の施設の非常用電源として広く使われています。長所として、電流の放電量に関わらず、比較的安定した放電量を保つことができ、再充電に伴うメモリー効果がない点が挙げられます。短所としては、他の二次電池に比べ大きく、重くなる点、過放電による電池容量の低下(サルフェーション)、寒冷地での電解液の凍結からの破損の危険性、電解質として希硫酸を使うことによる、破損時の危険性などが挙げられます。また、有害な鉛や硫酸を使っていることや使用済みの電池の資源としても価値の高さから、リサイクル制度が整備されています。

カ行
  • カスケード遮断

    カスケードとは、縦方向に連続しているものという意味があります。また、遮断とは流れているものをさえぎって止めることです。電気設備の用語ではスイッチのように比較的小勢力で単純な開閉ではなく、設備や機器に短絡(ショート)が発生したときのような大電流(短絡電流)を止めることをいいます。家庭や工場で使われる機器でショートが発生すると、普通はその機器のすぐ上流側にある遮断器(ブレーカー)が働いて、事故を防ぎます。しかし、機器や設備の組み合わせによっては、短絡電流の大きさが、すぐ上流側にある遮断器では止められないような大きさになることがあります。このようなときでも、何らかの方法で短絡電流を止めなければなりません。そこで、さらに上流側にある遮断器が、下流側の遮断器と協力して(保護強調といいます)、下流側の遮断器よりも少し早く作動して下流側の遮断器の負担を減らし、確実に短絡電流を止めるようなしくみを持たせます。このように、縦のつながりを持った遮断器が連携して働くようなしくみをカスケード遮断といいます。

  • 化石燃料

    石油、石炭、天然ガスなどの地中にある燃料を化石燃料と総称して呼んでいます。微生物の死骸や植物などがとてつもなく長い時間をかけて堆積し化石になり、そこから石油や石炭といった燃料になったと考えられていることからこう呼ばれています。最近は海底下や地下深くといった場所に、大量の天然ガスがメタンハイドレートになり存在していると言われています。メタンハイドレートは、水とガスから出来ている固体で、体積の170倍もの大きさのガスを含んでいます。エネルギー量は今まで見つかっている石油や石炭、天然ガスよりも多いと推測されています。エネルギー資源の中で化石燃料は一番多く使われてきており、今も全体の9割ほどを占めています。これだけ化石燃料に頼っていますが、このままのペースで使用すると石油は約40年、石炭は約160年、天然ガスは約70年でなくなると危惧されています。また、化石燃料は使用時に二酸化炭素が排出され、地球温暖化の原因にもなっていることもあり、化石燃料に代わるエネルギー源として太陽光発電などの自然エネルギー開発が進められています。

  • 過電圧継電器

    過電圧継電器とは、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置である継電器の一種であり、OVRと表記されることがあります。回路に設定値を超える電圧が加わった際に動作するものであり、主に予期せぬ過電圧からの保護のために用いられます。継電器は過電圧継電器のほかに、電路の電圧が予定値を下回った場合に動作して停電および負荷の短絡時に伴う電圧の低下を警告する不足電圧継電器(UVR)や、配電線における地絡事故による零相電圧を検出して動作する地絡過電圧継電器(OVGR)や、商用電源周波数すなわち50/60Hzを低下した場合に動作する不足周波数継電器(UFR)、商用電源周波数すなわち50/60Hzを越えた場合に動作する過周波数継電器(OFR)などがあります。

  • 過電流強度

    過電流強度とは、変流器(Current Transformer=CT)の定格一次電流に対して電気的、機械的および熱的に耐える限度の電流を倍数で表したものです。したがって単位はありません。計算方法の例としては、短絡電流20kAで変流器の定格一次電流が200Aである場合、20000÷200となるため過電流強度は100です。変流器の過電流強度は40、75、150、300などがありますが、系統事故時などが発生したときであっても変流器が損傷しないようにする必要があるため、この計算の例の場合は150の過電流強度を持つ変流器を選定することになります。また、過電流強度とは別に、定格一次電流より大きいときの一次電流が性能を表す過電流定数というものもあります。

  • 過電流継電器

    過電流継電器とは、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置である継電器の一種であり、OCRと表記されることがあります。過電流継電器は主に電気機器や電線への短絡や過負荷を防ぐ目的で使われ、大きく分けて誘導形と静止形の2種類があります。誘導形は移動磁界を作る鉄心によって内蔵された誘導円板や軸受けもしくはコイルなどに生じる渦電流が相互作用して動作します。誘導形の過電流継電器は可動部の劣化により寿命が短く、また振動に弱いため地震や小さな衝撃によって動作する欠点があります。一方、静止形の過電流継電器は可動部が無く、動作要素としてトランジスタが採用されています。振動や劣化の心配もなく、動作範囲の誤差も誘導形に比べて小さいため、新設の案件などでは静止型の過電流継電器が採用されるようになってきました。

  • 開閉器

    開閉器とは、機器に組み込まれている回路の開閉を行う装置であり、平たく言えばスイッチのことです。電力機器などに用いられる大型のものを開閉器と呼び、電子機器に用いられる小型のものをスイッチを呼んでいますが、機能的な差異は特にありません。開閉器には様々な種類があり、例えば、むき出しのナイフ状の電極が刃受け電極に挿しこまれる構造のナイフスイッチ、電極をむき出しにせずカバーを設けることにより安全性を向上させたカバースイッチ等があります。また、人力で開閉作業を行わずにすむ電磁開閉器というものもあり、これは電磁石の磁力によって電極を接触させる構造のものです。開閉作業が多い場合に、電磁開閉器では他の開閉器に比べて摩耗が少なく劣化が少ないため有利です。

  • 開閉所

    構内に設置された開閉器または遮断器で電路を開閉する施設を開閉所と言います。変電所、発電所、および需要場所以外のものをいいます。開閉所は電線路の途中や電線路の分岐箇所に設置されます。開閉所には、送電線と発電所をつなぐ電気を入・切するスイッチ(開閉器)が設置されています。絶縁体に六フッ化硫黄ガス(SF6)を用いる開閉器をガス絶縁開閉装置(GIS)と言います。 発電所で作られた電気は、開閉所から送電線に乗り、各場所に送られていきます。また、需要者へ電気を供給するために直接必要となる電気工作物を、電気事業の用に供する電気工作物といいます。電気事業の用に供する電気工作物は、発電所、変電所、電線路、開閉所などがあります。

  • 碍子

    碍子(がいし)とは、電柱・鉄塔になどに装着して電線との絶縁を図るための器具です。碍子に用いる材質として、磁器やガラス、セラミックなどがあり、用途によって使い分けられています。絶縁性能および強度が優れている磁気製の碍子は電力、製鉄、鉄道、港湾などで使われています。機械的強度が低いが、耐熱衝撃特性に優れるガラス製の碍子は一部の鉄道などで使われています。セラミック製の碍子は装置部品として使われています。また、碍子は連結用金具を笠状の磁器絶縁層の両側に接着した懸垂碍子や、連結用金具を中実の笠付磁器棒の両端に接着した長幹碍子、固定支持用の金具を中実の笠付磁器棒の一端に接着したLP碍子などの様々な種類があります。

  • 確度階級

    計器用変成器や変流器における確度(正確度)を示す階級のことを確度階級といいます。一定の周波数における定格電圧または定格電流を加えた時の、比誤差の限度値で表します。計器用変成器や変流器は磁性材および巻数、電線径を変更することによって確度を上げることができます。例えば、変流器の場合、電流×巻数を上げると端子電圧が上昇するため、自己損失(無負荷損失)も大きくなり、確度階級を上げることになります。JISではそれぞれの確度階級別に誤差限度幅の規定はありますが、自己損失については規定されていません。しかし、計測に使用する場合は、自己損失によって値が変動するため、確度階級だけでなく自己損失も確認する必要があります。

  • 幹線設備

    幹線設備とは、蓄電池や発電機から変圧器、分電盤(配電盤等)の間を接続しているケーブルやバスダクトを通っている配電線路のことをいいます。電力には電力会社等から購入する受電電力、自家発電設備による発電した電力、もしくは蓄電池で蓄えている電力があります。これらの電力は配電されるまでに必要な設備を通って、コンセントから電気機器などに配電されていきます。また、変電所や電気室に設置された配電盤から、分電盤や制御盤に至るまでの電路を示しており、配電線路は主にケーブルが使用されます。幹線設備は大きな電力を配電することが多く、ケーブルサイズが大きくなりやすいです。また、バスダクト等の大容量な幹線を使用することもあります。幹線設備は、設計によって大きな価格変動がある部分のため、敷設方法の検討は電気設計の重要な要素となります。

  • 感電

    感電とは、機器の操作ミスや、機器の故障等の何らかの原因によって人体に電流が流れることです。人体の電気抵抗は低いため電流は人体を流れやすく、更に、人体が水に濡れている場合はより電流が流れやすくなり、感電は一般的に起こりやすいものと言えます。軽い感電であれば、軽い痺れや軽い痛みで済みますが、大電流が人体に流れると、最悪の場合死に至ることもあり得るので、電気設備の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。例えば、電気機器にアースや漏電遮断機を取り付けること、濡れた手で電気機器に触れないこと、電気機器の操作の際にはゴム等の絶縁物質により構成される手袋を使用すること等を、必要に応じて実施すると良いでしょう。

  • 換気計算

    一般に、電流が流れているものは、大小の差はありますが、すべて熱を発生しています。家庭で使われている照明やコンピュータ、テレビをはじめ、電線も大きな電流を流すと発熱します。変電設備などではトランスが代表選手で、定められた最大の電力をトランスが扱っている状態で、電力の数%は熱になりますし、全く電力を使っていない状態でも多少の熱は発生します。さらに、この熱が発生する量はトランスなどの機器の効率に左右されますので、周囲の気温が高くなるほど効率が低くなって、たくさんの熱が発生します。これを放置すると、設備や機器で定められた限界の温度を超えて壊れてしまったり、電線の被服や周囲にあるものが燃えてしまったりするなど、重大な事故の原因になります。このようなことを防ぐため、適当な方法で設備や機器を冷やすことが必要です。発熱量が小さい場合には、換気口による自然換気でも十分な場合がありますが、一般的には換気によってある程度以上に温度が上昇することを防ぎます。このときの換気量は多いほどよいのですが、換気扇の能力が大きくなるほど消費する電力をはじめ設置スペースや騒音も大きくなり、費用も高くなります。このため、設計段階で実用的な換気方法を計算によって知っておく必要があります。これを換気計算といいます。具体的には、機器や設備の発熱量と換気量の関係に、外気温や日光による室内温度への影響などを加えて、必要な換気能力を計算します。

  • 気中開閉器

    気中開閉器とは、空気中(気中)において回路の開閉を行う開閉器(スイッチ)のことです。逆に、気中ではなく真空中で回路の開閉を行う開閉器は真空開閉器と呼ばれています。気中開閉器は、3ー6kV程度の高電圧が印加される配電盤の開閉器として多く使用されています。気中開閉器は気中で使用されるため、目視で開閉を確認できることが利点であり、手動開閉器として一般的に利用されています。高電圧の回路の開閉の際にはアーク放電が発生し、アーク放電は人体や機器を損傷させることがありますが、気中開閉器の接触部には細隙消弧室とよばれる空間が設けられ、この空間にアーク放電が閉じ込められるよう設計されており、気中開閉器の安全性が確保されています。

  • 逆潮流

    逆潮流とは、発電施設を持つ事業所や家庭が電力会社の配電系統に接続している系統連系において、発電量が自家消費分を超えて余った場合に、その余剰電力が電力会社線側に戻り流れていく状態のことを言いますこ。この際、高圧受電の事業所等では、電力価格と同等の約12円/kW、従量電灯契約の一般住宅では約24円/kWhで電力会社に買い取ってもらうこととなります。このため、逆潮流の取引量を測定する、計量法に基づいた売電メーターの取り付けが必要となります。また、資源エネルギー庁が制定した「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」には、電力品質や安全性の確保など、第三者に悪影響が及ばないための対策が盛り込まれています。

  • 逆電力継電器

    逆電力継電器は、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置である継電器の一種であり、逆方向の電力の検出時に動作します。表記は英語のReverse Power Relayの頭文字をとったRPRです。電力会社から受電する電力と風力発電や太陽光発電などで発電した電力を接続する系統連系状態の電路において自家電力が消費電力を上回った場合、余剰電力は電力会社の線側へ流れていくことを逆潮流と言いますが、逆電力継電器は風力発電設備や太陽光発電設備を設置する需要家が、逆潮流を許容しない場合に用いられます。例えば太陽光発電設備には、「系統連系有・逆潮流有」「系統連系有・逆潮流無」「独立システム」の3種類がありますが、「系統連系有・逆潮流無」では設置した逆電力継電器が逆潮流を検知した際に信号を発信し、発電設備を遮断器等を動作させて切り離すようにします。

  • キュービクル

    キュービクルとは、施設の敷地内に設置される受電設備で、発電所や変電所から送られる6600ボルトの電気を一般施設で利用可能な100Vや200V等の電気に変換する設備です。キュービクルは大型の設備であるため、集合住宅やオフィスビルの、駐車場の隅や屋上等に設置されている場合が多いです。戸建て住宅や小規模な施設の場合は、電力会社が設置する、キュービクルを使用する場合に比べて電力単価の高いトランス(電柱の上に設置されるポリバケツ状の装置)を使用することが多いのですが、キュービクルを使用する場合は、このトランスを介する必要がありません。したがって、キュービクルは、トランスを利用する場合に比べて設置費用がかかるものの、電力単価を安く抑えられるため大量の電力消費が見込まれる施設に向いています。

  • 許容電流

    許容電流とは、電線の絶縁体の温度が、その材質の定格温度を越えることがない、最大の電流のことです。電線やケーブルに電流が流れると、導体に備わる抵抗によって発熱します。この発熱によって被覆が溶解して回路が短絡し、場合によっては発火したり、電線が劣化したりするため、許容電流を定めることで流すことが可能な電流値を制限します。許容電流は、絶縁体の種別、電線の敷設場所の周囲温度、電線の敷設方法の3つの要素によって大きく変化するため、ケーブルや電線の敷設時は、経済性、合理性を考慮しつつ、適切に算出、設定される必要があります。許容電流には常時許容電流と短時間許容電流があり、前者は連続して許容できる最大電流、後者は短絡を含む、短い時間のみ許容できる電流を指します。

  • 系統連系

    系統連系とは太陽光発電や燃料電池発電、風力発電などの発電設備を設置した事業所や家庭が、自前の発電施設だけでは安定的に必要な電力を供給できない場合、必要な電気を購入するために電気事業者の配電系統に接続することを言います。また、そうやって運用している状態を連系と言います。通常、事業所等で設置された大型の発電設備や風力発電は大容量のために高圧の送電線に、家庭に設置された発電設備は小容量のため低圧の配電線と連系されます。日本において系統連系する場合には、電気設備技術基準(平成9年通商産業省令第52号)に則り電力会社と系統連系の条件の協議が必要とされています。また、小型発電装置の増加、分散化に伴って資源エネルギー庁により「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」が策定されています。このガイドラインによって、電圧、周波数などの電力品質や安全性の確保など、第三者に悪影響が及ばない対策等が規定されています。

  • 系統連系運転

    系統連系運転とは、電力会社系統に発電設備を接続して運転している状態をいいます。系統連系では、自家発電した電力だけでは足りない負荷電力を電力会社から供給してもらうことで補い、さらに電力が余れば電力会社へ電気を売ることも出来るため、自家発電設備の負荷率を最大100%まで上げることが可能です。系統連系を行う場合、電力会社が供給する電力と品質を同様にすることが条件となっているため、電圧が過電圧や電圧低下になったり周波数が上昇したりすると電力会社の系統品質に悪影響を及ぼすので、不具合を検出する継電器を設置し、系統からの切り離しが即時に出来るようにします。品質さえ守れば系統連系運転はコストの面でメリットが多いといえます。

  • 継電器

    継電器とは、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置です。英語ではリレーと呼ばれ、図などではRyとして表記されることが多いです。もともとは有線通信において損失した伝送路の電気抵抗信号を中継するためのものとして、アメリカの物理学者ジョセフ・ヘンリーが1835年に発明したものです。現在では、規定した電力機器や物理量等の状態に応じて電気回路を制御する機器として幅広く使われています。継電器の一種に、電気回路を急激な電流や電圧の変化から保護する保護継電器があり、目的に合わせて過電流継電器 、地絡過電流継電器、過電圧継電器、不足電圧継電器 、地絡過電圧継電器などを選定することで、事故を防ぐことができます。

  • 計器用変成器

    計器用変成器とは、電磁誘導の法則によって複数の巻線間でエネルギー伝達を行う電子部品・変成器の一種であり、計器用変圧器(Voltage Transformer)および変流器(Current Transformer)を合わせた総称です。交流回路の高電圧を低電圧に、大電流を小電流に変換することを目的としており、電気計器や測定装置と使用して、入力を指す一次側と出力を指す二次側の電流および電圧を変成します。また、一次側と二次側を絶縁し、二次側に接続された電気計器を保護する目的も果たします。一次電圧/二次電圧を変圧比、変流器では一次電流/二次電流を変流比と呼びますが、計器用変成器ではこれらの比に正確に変成することが求められます。

  • 欠相運転

    交流電動機には三相と単相があります。三相電動機において、欠相状態で運転していることを欠相運転といいます。欠相状態とは電路のヒューズ溶断等により三相電源の1つ以上の相が動作していない状態のことです。高負荷運転時の欠相は電動機の線電流がほぼ√3倍となるため、過負荷保護が動作して欠相が検出されます。しかし、軽負荷運転時は線電流が増加しないため、過負荷保護が動作せず欠相運転を持続してしまうことがあります。理論上の欠相時の電流は三相運転電流の√3倍ですが、実際には逆相分も含まれるため大きくなります。負荷が大きい場合はトルク不足になるため停止し、過電流保護器の作動はありますが、電動機を焼損することになります。

  • 欠相保護

    欠相運転が持続した場合、過電流により電動機で事故が生じる確率が高まるため、欠相運転持続の防止および欠相による過電流保護の対策が必要になります。欠相保護用に過電流継電器形式を採用した場合、軽負荷運転時の線電流の増加が検出されず、欠相運転を持続する可能性があります。そのため、有効な欠相保護には、欠相を保護するリレーを電路に設けます。特に3E(過負荷および欠相、逆相を保護する)リレーのような保護継電器を電路に組み込む事で、より信頼度を高めることができます。欠相保護を用いない回路で全負荷運転時に欠相した場合、過負荷保護回路の働きにより検出できる時もありますが、保護対象が違うために検出できない時もあります。安全性を高めるため、欠相要素も保護対象とし、設計に組み込むのが一般的です。

  • ケーブルピット

    ケーブルを敷設するために作られた床下の溝をケーブルピットといいます。ケーブルピットはよくコンクリート製の溝が使われています。ケーブルトレンチや配管ピットともいわれ、発・変電所などの電気機械室の床下で多く採用されています。電源関係や各種設備の電源ケーブルを敷設する目的で用いられるほか、電気・通信設備の設備・信号ケーブルに使われる機会も多いです。蓋は平らな形が多く頑丈です。ケーブルピット自体の大きさやルートを更新工事のたびに変更することは難しく、敷設するケーブルの数量は限りがあるため、長期的な更新工事の設計が必要です。通常ケーブルラックは設備の上、ケーブルピットは設備の下に設けられるため、電源ケーブルと信号ケーブル等を用途に応じて分けて用いることもあります。

  • ケーブルヘッド

    ケーブルヘッドとは、受変電設備や高圧機器と接続するために電力ケーブルを端末処理した部分のことです。略称はCH、配線図上では「△」で示されます。ケーブルヘッドの処理をせずに電力用ケーブルの端末を切ったままの状態にして多くと、電気力線が均一にならず絶縁物の一部の部分に集中してしまい絶縁破壊が発生してしまいます。ケーブルヘッドはこのように、電気力線の集中を防ぎますが、この他に雨覆というキャップ状の部品と組み合わせて使用することで雨による浸水を防ぐ役目も果たしています。また、海岸付近などの厳しい環境での塩害防止にもなります。なお、ケーブルヘッドには接地線の取り付けをすることができるようになっていて、各継電器のシールド接地が可能です。

  • ケーブルラック

    ケーブルラックとは、配線のために各種ケーブル類を乗せているものです。大量のケーブルでもケーブルの引きまわしがしやすく、工事の際によく採用されています。配管と比べて敷設の施工性が良いのもケーブルラックが採用される理由の一つです。主に設置されている場所は、電気機械室等のケーブル配線が集中しやすい場所です。はしご形とトレー形等があり、はしご形はケーブルを固定するのが簡単です。横にも縦にも使用できるため汎用性が高いというメリットがあります。一方、トレー形は、ケーブルラックの下面が塞がっています。通常、ケーブルには簡単に触れることができないため、安全性が求められる場所で使われています。また、トレー全体に荷重がかかるため、局所的に荷重がかかりやすい場所でも、安全に施工ができるのも魅力的ですが、はしご形と比べると高価となっています。大量のケーブルを効率よく敷設したい場合は、はしご形ケーブルラックの施工が一般的で商品も多いため、おすすめです。

  • 減価償却

    減価償却とは、時間の流れにより資産価値が下がっていく固定資産を取得した際に、かかった取得費用を耐用年数に応じて費用計上に回すことが出来る会計処理のことを指します。固定資産には事業用の建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具など様々な種目があり、これらの資産を減価償却資産といいます。例外として土地は時間の経過が理由となり価値が下がっていくことは無いため、減価償却資産には含まれません。減価償却資産の取得にかかった金額は、取得した時に全額必要経費で処理することは出来ず、耐用年数を全期間にわたり分割して必要経費として処理します。耐用年数は財務省令により定められているため、不公平なく法令に則って経費が決まります。

  • 交流不足電圧継電器

    交流不足電圧継電器とは、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置である継電器の一種です。交流回路の電圧が予定値を下回った場合に動作して停電および負荷の短絡時に伴う電圧の低下を警告する、電圧低下による変動や能力低下の監視するなど用途は多岐に渡ります。表記は英語のUndervoltage Relaysの頭文字をとったURが一般的に使われています。電灯盤に設置して非常用照明を停電時に点灯させる、受変電設備内に設置して停電を検出して非常用発電機を運転させるなど広く用いられます。不足電圧継電器は、動作時間および動作電圧をスイッチなどで整定することができますが、動作時間は2秒と入力電圧100Vに対して85V以下とするのが一般的な整定値です。

  • 鋼材検査証明書(ミルシート)

    鋼材検査証明書(ミルシート)とは鋼材の材質について、その製造結果が、指定された規格などの要求項目を満たしていることを証明した書類です。ミルシートと呼ぶのが一般的ですが、これは日本だけで通用する和製英語で正式には Mill Test Reportと言います。記載される内容としては商社・需要家名、契約番号、商品名などの一般事項の他に、製造実績値として寸法、員数、質量、めっき量(表面処理がなされている場合)、引張試験値として引張り強さ(N/mm2)、降伏点または耐力(N/mm2)、伸びなど(%)、化学成分(5元素 C,Si,Mn,P,S、材質によってはCu,Ni,Cr,Mo,V,Nb)などの製造実績値が記載されています。通常、受注企業は相手先に対し納入する鋼材のミルシートの提出の義務を負っています。そして、保証書であるミルシートがない鋼材は実際の現場において、主要構造材には使用しないものとされています。

  • 高圧

    高圧(高電圧)とは、直流では750V〜7000V、交流では600V〜7000Vの範囲内の電圧を指します。これは、電気設備技術基準によって定義されているものですが、電波法施行規則では電気設備技術基準の定義とは異なり、300Vを超える交流電圧が高圧と定義されています。また、国際電気標準会議でも定義が異なっており、直流では1500V以上、交流では1000V以上の電圧が高圧と定義されています。ちなみに、電圧は、その大きさにより大きく3種類に分類されています。一つは本項目に記載される高圧です。一つは低圧(低電圧)で、直流では750V以下、交流では600V以下の範囲内の電圧です。もう一つは特別高圧で、直流、交流共に7000Vを超える電圧です。

  • 高圧カットアウト

    高圧カットアウトとは、高圧の配電路や変圧器の一次側で開閉動作のために使用される高圧開閉器の一種であり、PCSと呼ばれます。高圧カットアウトはその構造によって、箱型カットアウトと筒形カットアウトの2種類に大別することができます。箱型カットアウトはは絶縁耐力および耐候性に優れた磁気性のケースに収容されており、絶縁劣化の恐れがなく、長期間の使用に耐えることが可能です。ふた内側にヒューズ筒が装着されており、ふたの開閉によって電路の負荷開閉を行います。屋内用、屋外用から塩害対策を施したものがあり、広く使われています。円筒形カットアウトは高圧磁器でできており、筒の下部からヒューズを抜き差しして電路の開閉を行います。形状の特性上、密閉性に優れており、雪が積もりにくいという点があります。

  • 高圧キャビネット

    高圧キャビネットという電気設備があります。その多くは、大口の電気需要家で、高電圧で電力供給を受ける必要がありながら、高圧電線を直接引き込めないような事情のある場所に置かれています。高圧キャビネットとはどんなものでしょうか。高圧はもちろん高い電圧のことですが、キャビネットというのは、箱形の物入れを指します。つまり、高電圧の電気を受けるための機器を収めた箱ですね。ふつう、架空線で高電圧受電ができるような立地条件であれば、そこに需要家が小さな電柱を立て、てっぺんに電気を開閉するしかけ(断路器)を設けます。そこから上流側が電力会社、下流側が需要家のものということになります。高圧キャビネットでも同様に、断路器が納められます。特別な事情がなければ、高圧キャビネットの箱そのものは電力会社が設置し、断路器以降を需要家が接地します。

  • 高圧交流負荷開閉器

    高圧交流負荷開閉器とは、その名のとおり、高圧電流回路に用いる開閉器のことであり、所定の電流を遮断したり通電したりすることができます。また、短絡事故状態において、電流を投入することも可能です。ロードブレークスイッチ(LBS)とも呼ばれています。屋内の電気室やキュービクル内などで使われることが多いです。なお、安全面から高圧交流負荷開閉器は絶縁油を使用していないものと定められています。電力ヒューズおよびストライカ(強力動作表示棒)の引出し機構が設けられたストライカ引出し式、手動操作器を用いる遠方手動操作式、電動操作機構と組合せて遠方から制御を行う電動操作式などの種類があります。ストライカ引出し式は主遮断装置としても使われています。

  • 合成変流器

    合成変流器とは複数の回路それぞれに流れる電流の総量を計算するための変流器です。通常、主回路に流れる大電流に対して、それを直接計測することは技術的にもコスト的にも非常に難しいことです。そこで、変圧器のような構造の鉄心とコイルによって構成された変流器によって回路に流れる電流の測定が行われます。合成変流器は回路の数分、1次巻線を持っており、2次巻線上に流れる電流を計測することで、回路を流れる電流の総合計が測定できます。回路内で短絡、地絡が起こると過大な電流が流れ、回路全体に異常をきたしてしまいます。そこで、合成変流器は、回路に流れる電流の異常を検出する役割で使われ、事前に計算された異常電流が回路内に流れた際に、保護回路機能が作動するようにモニタリングをする役割で使われます。

  • コージェネレーション

    コージェネレーションとは内燃機関、外燃機関等の原動機等により発電を行うと同時に、その際発生した排熱も有効に利用することのできるエネルギー供給システムです。電力と廃熱利用で二酸化炭素排出量の削減や、省エネルギーの効果が期待されます。実際にガスタービンエンジンの場合、単体の発電効率は20〜30%ですが、コージェネレーションによって、総合効率は70〜85%まで向上させることができます。併せて、コージェネレーションを停電時の非常用電源として利用することでエネルギーセキュリティの向上や、電力供給が逼迫される状況において電力需要のピークカットを可能とします。また、今後普及が見込まれる太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電の出力変動の補完としての役割が重要視されています。大規模な事業所、工場などでの設置が主でしたが、エネファームの導入により家庭用のシステムの普及も見込まれています。

  • 混色防止板

    混触防止板とは、高電圧の回路と低電圧の回路とが接触すること(混触)を防ぐために設けられる板のことを指しています。一般的に低電圧の回路は、高電圧が印加されることを想定して設計されておらず、低電圧の回路に高電圧が印加されると、低電圧の回路に使用されている部品が損傷したり、損傷した部品が発火して機器全体が損傷したりしてしまう場合があります。混触は、低電圧の回路と高電圧の回路とがトランスによって接続されている場合、トランス内で発生しやすいため、混色防止板は、トランスの1次側コイルと2次側コイルの間に設置されます。また、混触防止板は、高圧側で発生した、雷サージや開閉サージ等による異常電圧による低圧回路への影響を遮断する効果も期待できます。

  • 混触

    特別高圧または高圧電路と低圧電路を結合する変圧器を使用する際に、変圧器内で結線が接触し低圧電路側に高圧が発生することを混触と言います。低圧の基準での絶縁能力を超えた高圧電流が低圧電路に流れてくるため、接続された電気機器の破壊、感電、火災等などが起こる恐れがあります。そのため、変圧器に接地工事を施すことが電気設備技術基準第12条に規定されており、変圧器の低圧側の中性点にB種接地工事を行い、発生する電圧を150v以下に抑えるように対策をします。ただし、B種接地工事が起因の停電や漏電、感電災害も起きています。そこで、危険物を取扱う工場や医療機関では、混触防止板付き変圧器が使用されていましたが、電子情報設備、医療設備等の高度な電子機器を使う現場では、より信頼性の高い混触防止板付き変圧器(二次側電路の接地不要)を使用するケースが増加しています。

  • コンデンサ引外し

    コンデンサ引外しとは、高圧や特別高圧の配電施設において、短絡事故電流等などの事故電流が回路に流れた場合に、コンデンサを内蔵した遮断器にて、その内に充電された電気を使い電極を解放し、電流の流れを遮断することを言います。これにより、過大な事故電流による、配電設備の保護と施設全体への波及を防ぐことができます。遮断器には過電流保護継電器等の保護リレーがつけられており、このリレーが作動した際に、遮断器を作動させる電源をどこから取るかで、電流引き外し、電圧引き外し、コンデンサ引き外しの3つの方法に分類できます。コンデンサ引外しは電流引き外しより信頼性が高く、電圧引き外しよりコストが安い等特徴を持っています。

  • コンデンサ接地

    工場などの配線では、どの線も接地されていない非接地の状態で配線されることがあります。このような回路で、電線が地絡(地面や接地された金属に接触)すると大きな事故になりますので食い止めなければなりませんが、電線がよほど長くない限り検出するのは難しいのです。このような事故を検出するには、事故が起こっていない電線と大地の間を流れる電流(漏れ電流)のバランスが変化したことを見つける必要があります。しかし、漏れ電流自体が小さいので、変化を検出することも難しいのです。そこで、各電線と大地との間をまたぐようにして適当な容量のコンデンサを接続しておきます。コンデンサは電気の変化した分(交流分)だけを通す性質があるので、1つの線に地絡事故が起こると、地絡していない線から大地を経由して戻る回路ができ、この電流を検出して地絡事故を検出することができるようになります。しかし、平常時コンデンサに流れる電流はわずかなので、消費電力などには影響がありません。このようなコンデンサを補償コンデンサといい、補償コンデンサによる変圧器の端子や電線の接地をコンデンサ接地ということがあります。この場合の接地の目的は中性点接地とは異なっています。

  • コンドルファ始動

    コンドルファ始動とは、電動機の一次側に単巻変圧器を入れて始動トランスにより電圧を下げる減電圧始動方式のひとつであり、コンドルファ始動方式と呼ばれています。電動機が始動する際に大きな電流が流れるため、電気的ショックや機械的ショックを軽減するために用いられます。切り替え時の開路も不要でトルクも良好であるため、スムーズな始動が可能です。スターデルタ始動方式やリアクトル始動方式などの他の始動方法と比較すると、コンドルファ始動がもっとも高価ですが始動電流を25~30%程度にまで低減することができます。大容量電動機で使用されることが多く、例えばポンプやファン、フロア遠心分離機などに用いられることがあります。

サ行
  • 最大入力電力

    電源装置の最大となる定格出力時において、入力電圧と入力電流の積を最大入力電力といいます。電源装置には、コンデンサーの整流・平滑回路が設けられており、入力電流の波形は歪んでいることが多くあります。入力電力を正確に測定するには必ず電力計を用いなければなりません。最大入力電力は一時的であっても超えてしまうと異常が発生する可能性があります。例としてスペクトラムアナライザを使用する場合、高周波のRF入力コネクタの横に記載されている数値の確認が絶対に必要です。一瞬でも数値を超えて入力してしまうと、内部のATT(アッテネータ)やミキサが損傷し故障してしまいます。故障を防ぐためにも装置の説明書や装置自体に最大入力電力値の記載があるので確認を行いましょう。

  • サージ電圧

    サージ電圧とは、瞬間的に異常発生する大波電圧のことであり、落雷での誘導による誘導雷サージや開路の開閉時に起因する開閉サージ、静電気の放電などがあります。想定を超える大きな電圧および電流(サージ電流)が電気機器に流れ込んだ場合に、半導体部分などを破壊もしく損傷する恐れがあります。対策として、回路内に絶縁の弱い箇所を用意してサージ電圧・サージ電流を流してサージ電圧の抑制を図る避雷器や、接地線に接続する保安器などのサージ保護機器が挙げられます。なお、避雷器はアレスタ、サージアブソーバとも呼ばれます。また、無停電電源装置を用いることでサージに起因する瞬間停電を回避することが可能であり、このようにサージ電圧による影響を回避したり軽減したりする機器をサージ対策機器といいます。

  • サーマルリレー

    サーマルリレーとは、電動機の保護を目的とした過電流の監視を行う継電器の一種です。電動機内の線電流から電動機の巻線温度上昇を検知して動作するため、熱動継電器とも呼ばれます。サーマルリレーはヒータエレメントとバイメタルを持ち、ヒータエレメントに流れた電流によって生じる熱がバイメタルに伝達され、その膨張率によって湾曲、接点の開閉が行われる仕組みです。なお、サーマルリレーにはホットスタートとコールドスタートと呼ばれる2つの動作特性があります。ホットスタート特性は不動作電流を2時間通電した状態からサーマルリレーが動作するまでの時間特性を指し、コールドスタート特性はサーマルリレーのヒータ温度が周囲温度と同じ状態で電流を流し始めてから動作するまでの時間特性を指します。

  • 三価クロメートめっき

    金属の表面処理の代表格であった六価クロメートめっきの有害性がマスコミなどで取り上げられるようになってから、各業界は見直しを迫られました。そして、これに代わる表面処理が待ち望まれていました。さらに、EUでの規制対象になるなど具体的な動きが出てきたため、いよいよ各業界も脱六価クロムに向けて努力しているようです。この中でも代表的なのがめっきの分野で、三価クロメートめっきという方法が実用化され、その処理を経て生産された金属部品(例えばネジ類など)が市販されるようになりました。安定した処理のためには六価クロメートめっきより高度な管理技術を要求されますが、結果として六価クロメートめっきよりも耐食性に勝るなどの長所を引き出されています。

  • 三相交流

    三相交流は送電方法の一種です。送電方法としては他に単相交流が挙げられますが、簡単に言うと、技術的には一つの交流の電気を送電するか3つの交流の電気を送電するかという点で異なります。この違いは、主に「安全性」と「送電効率」の2点において現れます。単相交流では、1本(帰路を合わせると2本)の線によって送電され、配線の数が少なくて済み、三相交流に比べて安全性の面に利点があります。一方、三相交流では、配線の数は単相交流よりも多いものの、帰路を合わせて3本の線で済み、1つの交流の電気を送電するために要する線の数が単相交流より少ないため、単相交流に比べて送電効率の面に利点があります。さらに、発電時の手間が単に単相交流を3つ並べるよりも楽なため、発電効率が良く、結果的に送電効率の面に利点があります。

  • シーケンス

    シーケンスとは、電気設備や機械、装置が動作する一連の順序ですが、そのような制御方法(シーケンス制御)やそのために使われる電気回路(シーケンス回路)やプログラム(シーケンスプログラム)も含めて、一般にシーケンスといいます。はじめはリレーやタイマーなどを組み合わせた電気回路でしたが、最近では専用のコンピュータとインターフェースによって、複雑な制御が比較的簡単に作れるようになっています。これらはシーケンサーやPLCなどと呼ばれています。この名称は、もとはあるメーカーの商品名でしたが、現在では他メーカーの製品も含めて同じ名称で呼ばれています。また、リレーやタイマーで扱える信号はON、OFFしかありませんが、シーケンサーではアナログ信号も扱えるものが多く、操作方法も液晶画面やタッチパネルを利用したものが主流になりつつあります。

  • 始動電流

    始動電流とは、電動機を始動させる際にスイッチをいれてから主回路に一時的に流れる大電流のことです。電動機が定格速度まで加速する間は、定格運転時よりも負荷が大きくなっている状況のため、定格電流よりも大きく電流が流れます。その電流値は定格電流の5倍から8倍になることがあり、電動機に接続されている部品、電装品にも過剰に電流が流れることになり、異常な発熱を引き起こして事故につながることもあるため、用途に応じた適切な始動器を選択することが肝要です。始動電流を低減するための装置として減電圧始動器があり、スターデルタ始動器、リアクトル始動器、コンドルファ始動器が挙げられます。減電圧始動器を導入することで、遮断器への投入コストを抑えられるという副次的な効果も見込めます。

  • 試験用端子

    試験用端子とは、配電盤、制御盤などに設けられている制御機器や継電器、電路の試験および測定、さらに計器類の校正を行うための端子です。試験用端子にはネジ式とプラグイン式があり、PTT形端子、VTT形端子、CTT形端子、ZTT形端子などに区分され、用途に応じて選択されます。受変電設備の配電盤には、保護継電器の試験用端子が備わっており、一方に過電流継電器にもう一方は変流器の二次側に接続され、試験時に継電器の端子にサイクルカウンタなどの試験装置をつなぎます。変流器の二次側の端子は、変流器に高圧が発生しないようにするために必ず短絡しておく必要があります。その他に、試験用端子に接続される試験装置には水抵抗器、試験用変圧器、摺動抵抗器などが挙げられます。

  • 自動力率調整器

    自動力率調整器とは、負荷の変動による総合力率を自動的に調整する電力管理用装置のことです。力率が悪い機器が電路に接続されていると総合力率が低下して皮相電力が上昇し、逆に有効電力は下降してしまうため、結果として電力損失が増加し、電圧降下が大きくなります。このような状況になると設備利用率が低下し、コストも過大になっていくため、力率を調整することはコストの上でも、エネルギーの無駄を省く上でも非常に大きな意味を持ちます。昨今の受変電設備では、自動力率調整器を設置して進相コンデンサの開閉装置をVMCとし、軽負荷時には進相コンデンサを開放、逆に重負荷時には投入するという自動制御を行っています。自動力率調整器には、人の手による作業を不要とすることでヒューマンエラーによる事故を防ぎ、人件費をおさえるという効果もあります。

  • 自立運転

    太陽光発電システムには、停電が起こった時、自ら発電した電気で負荷電力をまかなうことが出来る自立運転モードがあります。最近では災害が多く、電力の安定供給に不安を持っている方が多いため、自立運転機能を持った太陽光発電システムがよく導入されています。蓄電池を接続し電気を貯めることで、非常時だけではなく夜間も使用できるメリットがあります。発電量が1.5KW以上であれば、スマートフォンは問題なく充電でき、冷蔵庫や電子レンジもほぼ自立運転で使用できるためこの機能の需要は高まっています。負荷の少ない一般家庭では太陽光発電システムが利用されますが、ビルやショッピングモールなど負荷の大きい建物では後備電源設備による電力供給システムが導入されます。

  • 車上渡し

    車上渡しとは、商品をトラックなどの貨物車上で引き渡す納品方法です。売主が商品を目的地まで輸送し、買主が荷降ろし等を行うか、買主が手配した貨物車上に売主が積み込み、運送、荷下ろし等を買主が行う納品方法です。受け渡しする商品が大型、重量物の場合、車上渡しで取引されることが多いようです。実際に貨物車上から降ろす作業は買主の責任によって行う必要がありますから、受け取る商品によっては、買主によるクレーンやフォークリフトなどの準備が必要となります。また、商品の瑕疵について、荷下ろしの際に発生したものかどうかを明確にするためにも、受け取る前に車上でのチェックが必要となります。これに似た言葉で、軒下渡しという納品方法があります。これは、輸送、荷下ろしまで売主が行います。それぞれ、責任範囲が異なりますので注意が必要です。

  • 遮熱塗装

    温度差のある物体が触れあっていると、熱が伝わります。これを妨げることを遮熱といいます。最も遮熱効果の高い方法は、遮熱の対象となる物体を他の物体に触れさせないことで、これが魔法びんの原理です。しかし、一般にある物体にこのような方法を用いるのは困難で、ここで遮熱塗料の出番となります。遮熱塗料は、熱を伝えにくい非常に小さな中空(または真空)ビーズなどによって熱(温度差)を伝えにくい性質と熱(赤外線)を反射する性質を併せ持っています。また、反射できなかった分の熱を、遠赤外線に変換して放出する性質を持つものもあります。このため、熱が塗料を通過する割合は10%以下にすることができます。このような塗料によって塗装することを遮熱塗装といい、数百ミクロンという薄い膜でも、十分な効果を発揮するのです。

  • 受変電設備

    受変電設備とは、受電設備と変電設備の総称です。発電所から送電された数万ボルト~数十万ボルトの高電圧を、市街地で安全に送電できる数千ボルトの電圧に降圧するため(変電)或いは、一般家庭等で利用できる100Vや200Vに降圧するため(受電)の設備です。同時に、配電線から雷が侵入するのを防止したり、漏電等が起こった際に、事故が波及しないよう遮断することができます。受変電設備は、断路器・遮断器・変圧器・区分開閉器・制御装置・低圧配電設備・保護継電器・計測機器で構成され、これらすべてを金属製の箱に収容したものをキュービクルと呼んでいます。この高圧受変電設備には、高電圧で危険な為、一般の人が入り込み感電等の事故が起きないように扉を施錠したり、施設をフェンスで囲む等の管理をしています。受変電設備は経年劣化により故障すると、停電事故につながる場合もありますが、点検・測定・試験では判断できないことが多いため、計画的な更新が必要です。

  • 周波数計

    周波数計とは、周波計とも呼ばれ、交流電圧や電波などの周波数(振動数)または、波長を測定する装置のことです。対象の周波数によって様々な動作原理のものがあり、50~60Hz用の振動片の共振を利用する振動片形周波数計と呼ばれる簡易なものや、高周波測定用のもので周波数カウンターと呼ばれ、水晶発振器と呼ばれる正確で安定した周波数の電気振動を発生させる為に周波数カウンターに内蔵されたものが広く使われ、デジタル計測により周波数を直接読み取る事ができます。低周波用では、測定した周波数を利用して電子スイッチを動作させてコンデンサーを充放電させることにより、放電された電流が周波数に比例するということを利用した周波数計が多く用いられています。

  • 集電箱

    工場内では、配電盤というものがたくさん設置されています。これは変電設備から太い電線で送られてきた電気を分けて、いろいろな機器に分配するための設備ですが、太陽光発電では、ちょうどこれと逆の役割を持つ設備があります。これが集電箱です。太陽電池パネルで発電した電流は他の電池と同様に直流なので、一般の家庭や工場で安定して使える交流にするためには特別な変換器が必要です。これをパワーコンディショナといいます。このパワーコンディショナにいくつかの太陽電池パネルのまとまり(アレイ)から送られてきた電流を直接入れてしまうと、どこかの電池や配線で異常があったとき、パワーコンディショナごと壊れてしまいます。このようなことを防ぐため、アレイから送られてきた電流は集電箱で集め、回路ごとに開閉器や遮断器を設けて、異常時や点検・修理で電流を流せない回路を切り離せるようになっています。

  • 重畳用変成器

    重畳用変成器とは絶縁監視電圧発生器に付属し、絶縁監視用のための電圧信号を、B接地線から電路に重畳する変成器です。電路の正常な絶縁状態を常時監視することは、安全に高圧電力施設の運用を行うために重要な事柄です。特に、通信システムやコンピューターサーバーのように365日24時間稼働する場合、絶縁状態の測定のために、システムを止めることは困難です。また、電源を止めて絶縁状態の測定を行うことは費用の面でも、効率の面でも大きな無駄が生じます。そこで、電路に微弱な低電圧低周波交流電源の電圧を大地と電線間に重畳させて、監視する電圧に対する漏電を検出する(Igr方式)絶縁監視装置は電気設備の安全運用に大きな役割を果たします。

  • 重心

    物体に力を加えるとき、真ん中を押すようにするとその方向に移動しますが、端を押すようにすると回転しながら移動します。ある物体をつくっている物質にはそれぞれに質量(重さ)があり、その質量を総合したものの中心を重心といいます。物体に加える力が物体の重心に対して直線上にあるとき、物体は回転せずに移動し、加える力が重心からそれているとき、物体は回転しながら移動します。ある物体が地震で横に揺れるとき、物体が地面に接している部分に水平方向の力が加わります。このとき加わる力は物体の重心から離れているので、物体は回転し(傾き)、この角度がある程度以上に大きくなると物体は倒れます。このような考え方で、キュービクルや配電盤のような電気設備の質量や重心の位置、加わる力の大きさや、重心からの距離などがわかっていると、傾かせる力や、どれだけ傾いたら倒れるかを計算によって求めることができます。このような理由から、いろいろな電気設備や機器の重心の位置を知っておくことは大変重要なのです。

  • 重耐塩

    重耐塩とは、常時、高い濃度の飛来塩分の影響を受ける地域で求められる塩害への耐性レベルのことです。沿岸部に近接する地域に受変電設備や計器類、電線管などを設置する場合、海から飛来する塩分により非常に大きな影響を受ける為、各設備、機器類の表面塗装を塩害対応とし、サビや劣化に備える必要があります。一般に目安として、海岸から200mから500m以内の地域が重塩害地域と区分され、重耐塩のレベルでの備えが必要とされますが、風向や、海抜高、海岸性の形状といった地形的要因などの影響による大きな差が発生するため、その地域の状況や特性を踏まえた塩害対策を決定する必要があります。塩害に対する主な対策として、耐性のある素材の選択および塗装を行うことが挙げられます。

  • 重耐塩塗装

    塩害を防ぐための塗装を耐塩塗装といいますが、その程度によって一般的な耐塩塗装のほかに重耐塩塗装があります。一口にいうと、耐塩塗装の工程を増やして、さらに塗装による膜の厚さ(膜厚)を大きくしたものです。その一例として、粉体塗装の通常の膜厚を80ミクロン前後とすると、耐塩塗装では100ミクロン前後、重耐塩塗装では120ミクロン前後となります。いずれにしても、電着や粉体塗装が有利なことは間違いありませんが、塗装する物の大きさ、数量、納期などから、手塗りになることも多いようです。塗り上がった製品を膜厚などによって検査することは可能ですが、塗装面すべての検査は不可能です。また、製品となった物を塗り直しするのは至難の業となります。したがって、手塗りの場合には塗装職人の腕の見せ所となります。

  • 瞬時電圧低下

    瞬時電圧低下とは電源からの供給が絶たれ電圧が瞬間的に低下する現象です。具体的な定義はありませんが、一般的には2秒以下程度通常の電圧の90%以下に低下した状態を言います。落雷等の事故による送電時の故障部分の切り離しに伴うも送電ルートの変更時や電力需要の急激な増加による一時的な電力供給量の不足によって生じます。これに伴い、コンピューターのシステム障害、データ消失や誤作動、ネットワーク通信の切断、生産設備の非常停止等々様々な影響が出ることが考えられます。自然災害が原因となるものも多い為、送電側での瞬時電圧低下をなくすことは難しい状況ですので、受電側による無停電電源装置(UPS)やコンデンサー設置などの対策を講じる必要があります。

  • 小型分散型太陽光発電

    いろいろな再生可能エネルギーによる発電がほぼ実用化され、大規模な風力発電や太陽光発電の設備が建設されるようになりました。これは、見方を変えれば一つの場所に発電設備が集中したものと考えられます。一方で比較的小型の設備をいろいろな場所に分散して建設し、これらをまとめて大きな発電設備とするような方法も見直されています。このようにして太陽光発電を行う方法は小型分散型太陽光発電と呼ばれています。そもそも大規模な発電設備が求められた背景には、太陽光に限らず、規模が大きいほど効率がよくなるという理由があります。それをある程度犠牲にしても分散して建設するのは、効率の低下を補ってなお別のメリットがあるためです。大規模な設備の建設は1件ごとに計画、設計、用地の確保、建設、設置などが長い時間をかけて行われます。これに対して小規模な設備をたくさん作る場合、同じ工程が使い回しでき、立地条件に合わせた規模で作れば用地の確保もしやすくなります。また、機器が小型になることで冷却方法が簡素化できます。故障が起こってもすべての設備が停止しないので信頼性も向上します。さらに、太陽電池パネルをはじめとするさまざまな機器の性能向上、通信技術などの発達により各設備を高度に連携させることができるようになったことなどにより、小型分散型太陽光発電に有利な条件が整いつつあります。

  • 新エネルギー

    新エネルギー法(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法 平成9年4月施行)で「新エネルギー利用等」として定義されるものを新エネルギーと言います。新エネルギーの具体的な種類は同施行令にて規定されています。現在、新エネルギーは11種類規定されており、太陽熱、バイオマス、地熱発電、河川水などを熱源とする温度差熱利用、水力発電、雪氷熱利用、風力発電、太陽光発電等があります。枯渇性エネルギーの化石エネルギー(石炭や石油、天然ガス)とは違い、新エネルギーは自然界に存在するエネルギーであるため、再生可能エネルギーの中に含まれます。しかし、環境対策に関しては、石油の代替として法律上位置づけられているため、含まれていません。

  • 真空遮断器

    真空遮断器(VCB)は、高圧および特別高圧の配電設備で最も広く利用されている装置です。電路中の電流が開放される場合、電気は電路で流れることを維持しようとするため、電極間には電極より発生した粒子と電子が放出され続けこれによってアークが発生します。真空遮断器は、真空バルブの中でアークを構成する粒子や電子を拡散させることによりアークを消弧させ、さらに真空の優れた絶縁特性によりアークの再発生を防止します。また、真空遮断器の特性として遮断騒音が小さい上に遮断性能が高く、省コストであることが挙げられ、それゆえに現在殆どの高圧および特別高圧の配電設備で採用されています。真空遮断器には引出式、固定式の二種類があり、前者はメンテナンス性と安全性が高い、後者は省コストであるというメリットがあります。

  • 真空電磁接触器

    真空電磁接触器とは、電磁接触器の一種で、電磁石を作用させることによって回路を開閉する装置で、通常はバネによって回路とは切り離され接点を持っていいない状態ですが、コイルに通電し電磁石を作動させることによってバネの力を上回る磁力による吸引力で接触子が回路を接続し電源を供給する仕組みになっています。コイルへの通電をストップするとバネの力が勝るようになり再び回路が切断され、電源の供給もストップします。真空部分で接点を持ち、回路を開閉する接触器で過負荷や短絡の電流を遮断するサーマルディレイや高圧限流ヒューズなどと組み合わせてスイッチやユニットとして、電動機の自動運転や遠隔操作用の開閉器に利用されています。

  • 進相コンデンサ

    進相コンデンサとは、交流回路における交流電力の効率を上げるために挿入するコンデンサのことです。進相コンデンサには、交流600V以上の高圧と、交流600V以下の低圧に分かれていて、高圧は交流3300V以上で製作され、低圧は220Vで小容量のものが多くあります。進相コンデンサの容量表示は一般的にはファラッド(F)で、他にリアクタンス(Ω)、バール(var)などで表示されています。電源が単相交流の場合では誘導モーターが始動できないため、固定子と回転子の間の磁界のすべりが発生するために進相用コンデンサを加えて使用します。単相交流電力を入力とする誘導電動機においては、この進相用コンデンサのことを始動コンデンサと呼んでいます。

  • スイッチギア

    スイッチギアとは開放、閉鎖型問わず開閉器ユニットのことを言いますが、日本のJEM1425においては「金属閉鎖形スイッチギヤ及びコントロールギヤとは,接地された金属閉鎖箱をもち,開閉機器単体並びに開閉機器と操作・測定・保護・調整の器具とを組合せ,さらに内部接続,付属物,閉鎖箱及び支持構造物を備えたこれら機器・装置の集合体のもの。」と定義されており、一般的にJEM1425のものをスイッチギアと呼びます。スイッチギアの充電部は全て接地された金属箱に覆われているため、メンテナンス時の感電の危険性が低く安全です。また、メンテナンス対象を簡単にスイッチギア外部へ引き出すことができるため、メンテナンス性の向上及び省力化が可能です。

  • スコット変圧器

    スコット変圧器とは、三相交流から90度の位相差の2つの単相交流を出力するものであり、三相交流を二相交流に変換する変圧器です。スコット変圧器は、一般的には三相交流を二相交流に変換するものですが、効率が悪くなるものの単相交流を取り出すことも可能です。しかし、この場合、2つの出力の位相差が90度異なるため、電圧が2倍ではなく1.4倍になることや、各巻線の電圧と電流の位相がずれるため力率も悪くなるため、非常用発電回路などの小規模設備に限定して使用されています。スコット変圧器の用途として代表的なもので交流式電気鉄道があり、我が国では新幹線や、電化の遅れていた九州・北陸・東北・北海道地方の在来線に使用されています。

  • スターデルタ始動

    スターデルタ始動とは、モーター始動時の機械的・電気的ショックを和らげるため、モーターの巻線をスター型に接続して、始動時の電流を直入れ時の1/3とし、加速後に巻線をデルタ型に接続して運転する始動方法のことです。スターデルタ始動を行う理由として、誘導電動機の固定子巻線をスター型接続にしたときと、デルタ型接続にしたときの各相に流れる電流の大きさに違いがあり、デルタ型接続のときと比べてスター型接続にしたときは、各相に流れる電流を1/3にする事ができるためです。誘導電動機の始動時は固定子巻線をスター型接続にし、通常運転時にデルタ型接続にすることで、始動電流を1/3に制限させることができるとともに、始動トルクも1/3にする事ができます。

  • ストリング監視装置

    ストリングとはひとつながりになったものやひもを指す言葉ですが、太陽光発電設備などでいうストリングは、いくつかの太陽電池を直列につないで1単位としたものです。太陽電池発電設備を構成するためには太陽電池ストリングをたくさん設置しただけでは不十分で、得られる電流を監視したり、制御したりすることで、初めて1つの太陽電池発電設備となります。このとき、ストリング単位で太陽電池を常に監視して、新品のときの発電の状態や、他のストリングとの比較をすることで、どの太陽電池が故障しているか(あるいは故障しそうか)や、メンテナンスが必要な時期、交換時期の予想などを知ることができます。たくさんの太陽電池を直列・並列につないだ場合、発電そのものはできますが、すべてが故障するまで、何が起こったのか、どこが故障しているのかはわかりません。このようなストリング単位で監視するしくみをストリング監視装置といいます。最近では高度な通信技術を用いて、さらに細かく(パネル単位)監視するしくみもできています。

  • スポットネットワーク

    スポットネットワークとは一般家庭などへの配電とは異なり、3回線または4回線で22キロボルトまたは33キロボルトの高圧で配線されている特別高圧配電線路の一種で、大規模な電力を必要とする契約者への配線方式のことです。都心の多くの高層ビルなどで採用されていて、大きなメリットはそれぞれの回線の間が構内ネットワーク母線で結ばれていて1回線が停止しても何の問題もなく受電できるという点です。また信頼性が高くネットワーク母線より受電側の回路に異常がない限りは停電も起こらないメリットもあります。ビルなど様々な需要に応じて配電することもでき、新設や、需要変動にも対処しやすいという反面、設備費が高価というデメリットもあります。

  • スマートメーター

    スマートメーターはいわゆる電気のメーターです。電気のメーターといえばぶ厚いガラス箱の中で金属の円板がクルクル回っているのが当たり前でしたが、徐々に姿を消しています。それは、スマートメーターに置き換えられているからです。頼みもしないのに、という人もいるかも知れません。しかし、置き換える理由の中には、電気を使っているあなたにとってもメリットとなるものが含まれています。さて、最も大きく変わったのはデジタル式になって通信機能がついたことです。デジタル式でなくても、ちょっと小さいけど数字での表示はありましたが、その数字はメーターを見に行かないとわかりません。スマートメーターではこの必要がありません。電力会社へ常にデータを送っているからです。これによって、毎月検針に来ていた人は職を失いました。電力会社は、このデータを元に電力需要へ対応、停電や復旧の監視などを行うので、サービスのスピードアップが期待できます。また、このデータは所定の方法によって、自分も扱えるようになります。そんなことは面倒くさいという人は、ネット上で登録するだけで月々の電力消費量や去年のデータとの比較結果を見られます(東京電力管内)。ちょっと不便なのは、今現在の電力がわからないことです。以前は円板が回っているかどうかで使っているかいないか、回転の速さでおよその消費電力もわかりました。コンピュータやスマホがないとわからないというのは残念ですね。

  • 制御電源

    制御電源とは、主回路で扱う主電源とは異なり、主回路を制御する制御回路に供給する電源のことで、一般的には24ボルト直流が利用されています。主回路には100ボルト以上、場合によっては数万ボルトまでの高圧が利用されています。一方で制御回路では、ダイオードやサイリスタ、ICなど比較的低電圧で動作する部品を利用していることや、主回路と同じ高圧では制御回路が耐えられないこと等を理由として、制御電源の電圧には低電圧が利用されています。また、主回路とは別の電源を使用することで停電などのリスクを分散させるという観点からも、主回路とは別の制御電源を設けることは理にかなっています。電気回路において制御回路は非常に重要な役割を担っているので、主回路と独立した電源を持たせ、安定した制御ができるような構造をつくって、安全や信頼度を担保しています。

  • 整流器

    整流器とは、交流を直流に変換する素子の総称で、電流を一方向にだけ流す作用(整流作用)を有する素子のことです。実際の素子として、陽極と陰極の2端子があり、さらに制御端子を加えた3端子のものがあります。また整流器は、順変換装置や、AC-DCコンバータとも呼ばれ、整流器を用いて交流を直流に変換する回路を整流回路(順変換回路)といいます。整流器の主な用途としてノートパソコン等のACアダプタがあり、テレビ・パソコン・オーディオ機器などの電子機器内の電子回路のほとんどは、直流で駆動するよう設計されていて、交流電源として使われる商用電源等でこれらの回路を動作させるために、整流器によって交流電源から直流電源を得る事ができるのです。

  • 接地

    アース(接地)とは、電気機器と大地とを銅線などの導体で結び、同電位に保つことです。また、アースに用いる接続線をアース線といいます。ヒトの皮膚は乾燥している状態では、交流100Vの電圧では電流をあまり流さない抵抗値を持っていますが、水や汗で濡れている場合は非常に感電しやすい状態にあり危険です。このため、洗濯機のような一般家庭の水回りで使用される電機機器には感電・漏電事故の防止を目的としたアース線が取り付けられていることがほとんどです。電子機器や通信機器においては内部の雑音、外部からの電磁波や静電気の動作による誤動作を避けるため、機器もしくは設備を大地や筐体に接地して遮蔽します。なお、「電気設備技術基準とその解釈(電技解釈)」によって、接地工事の種類と接地抵抗値は定められています。

  • 接地ターミナル

    接地ターミナルとは、電圧が印加される標準の2つの端子以外のアース線を別につなげる事のできる配線機器で、アースターミナルとも呼ばれます。外観上の区別は難しいですが、アース付きとアースターミナル付きの2種類があります。双方ともアース付きで接続されている先は同じでアースポイントにまとめられて地中に埋められています。ワンタッチで接地線を接続でき便利ですが、現在では電気事業法に基づく電気設備に関する技術基準を定める省令の工事方法、維持、実務等を具体的かつ詳細に規定した民間自主規格である内線規定で冷蔵庫や衣類乾燥機、電子レンジ、ウォシュレットなどの特定機器は接地極つきのコンセントの仕様が義務付けられています。

  • 接地形計器用変圧器

    接地形計器用変圧器とは、対地、線間電圧、電路中性点間の電圧の計測、三相回路の地絡事故時の零相電圧の検出、出力に使用する計器用変圧器のことで、EVT、GVT、GPT、ZPTなどの略称があります。利用時には一次端子の片方を電路に接続しもう片方を接地します。また、継電器と組み合わせて地絡保護に利用します。注意点として、平時より絶縁体表面の点検、電磁的なノイズの計測を行い、絶縁破壊の前兆現象を捉えて見落とさないようにすること、二次端子が短絡状態になることで、巻線の焼損、計器類の破損を引き起こす可能性があるため、二次側出力端子を短絡状態にしないことが挙げられます。受電設備などでの零相電圧の検知には適さないため、コンデンサ形地絡検出装置が使用されます。

  • 接地端子

    接地端子とは、接地のための端子であり、プラグに配置されています。洗濯機や冷蔵庫などの消費電力の大きい大型家電や、食器洗い機など漏電の危険が大きい水回りの家電や、パソコンなどのコンセントには一般的なコンセントの2本の端子の他に、もう1本端子があるものや、配線が出ているものがあります。同様にコンセントの差込口にも一般的な2本の端子以外にもう1本端子が挿せるようになっていたり、配線ができる構造になっているものがあります。この”もう1本”が接地に使われる接地極や接地端子といわれるものです。家庭用のコンセントに限らず、接地側とつながっている配線に直接端子を接続できるものを接地端子といいます。配電盤や分電盤、キュービクル式高圧受電設備などにも使用されているものもあります。

  • 絶縁距離

    電線は、導線(電流を通す材料)をゴムやプラスチックなど電流を通さない材料で覆ったつくりになっています。これは、電流が逃げたり、別の導線と触れあってショートしたり、人間が触れて感電したり、都合の悪いことが起こるのを防ぐためです。このように、電流を通さないようにすることを絶縁(電気絶縁)といい、電流を通さない物質を絶縁体といいます。絶縁体にはゴムやプラスチックのほかに空気があります。電車の架線や高い鉄塔で電気を送っている高圧電線は導線がむき出しになっていますが、空気によって絶縁されています。このとき、導線と別の物体との距離が足りないと、電気は空気の絶縁を破って空間を通ってしまいます。冬に洋服を脱いでからドアノブを触るとパチッという現象や雷も、同じ理由で起こる現象です。これを放電といいます。このように、空気で電気を絶縁するためにはある程度の距離が必要で、空気中で絶縁をするために離す距離を絶縁距離といいます。

  • 絶縁耐力試験

    絶縁耐力試験とは、電路がどの程度の電圧に耐える性能があるか(絶縁耐力)を計測する試験のことです。この絶縁耐力試験では、電路の高圧或いは特別高圧に対する絶縁耐力を計測するために、ケーブルの心線と大地間に試験電圧を10分間試験電圧を印加して試験します。絶縁耐力試験には材料を破壊させ、その電圧を測る絶縁破壊試験と、規定の電圧を規定の時間印加して強度を確かめる耐電圧試験の2種類があります。高圧或いは特別高圧の電気機器を扱う工場などで絶縁耐力試験を行います。高圧電路の場合は耐電圧試験によってその性能を確認します。絶縁耐力試験は定格値以上の高電圧を加えるため、長期使用している電気機器は絶縁耐力試験により絶縁が破壊されることもあります。

  • 絶縁抵抗試験

    絶縁抵抗試験とは、電気回路の絶縁抵抗値が規定の数値以上であるかどうか確認する試験です。絶縁抵抗とは絶縁性能を数値で表したものであり、その抵抗値が高いほど絶縁されているということになります。すなわち、絶縁抵抗値が高ければ、漏電による、感電や火災の危険性が低いこいうことであり、説抵抗値が低ければ、漏電や感電の危険性が高いということです。もっとも多く用いられる測定方法は絶縁抵抗計(メガー)を用いた測定です。測定法は開閉器を開放させたあと低圧電路の電線相互間と電線、大地間とを測定します。絶縁抵抗測定は、絶縁不良による電気機器や電路の漏電と、それに伴う感電事故や火災とを防止するための大切な役割を担っており、保安管理上重要な測定の一つとなっています。

  • 相電圧

    相電圧とは、多相の回路においてそれぞれの相と大地の間の電位差をいいます。発電所で発電される電力は電圧位相が120度ずつずれた三相交流であるため、多相とは一般的に三相のことを指します。また各相間との電位差を線間電圧といい、結線の仕方によってそれぞれの関係性が変わってきます。Y結線では相電圧は線間電圧の1/√3に、Δ結線では相電圧は線間電圧に等しくなります。結線の方法によって線電流と相電流の値も変わってきます。このことから利用したい場面や状況に応じて結線を組んで利用します。また一般に表記されている定格電圧は標準では線間電圧のことであるため、相電圧の値は線間電圧に変換して利用する必要があります。特にY結線では注意が必要です。

タ行
  • 太陽電池アレイ

    太陽電池モジュール(ソーラパネル)を複数枚並べ、直列や並列接続し、架台等に設置されたものを太陽電池アレイといいます。アレイは太陽電池の単位の1つですが、セル<モジュール<アレイの順に大きくなっていきます。一般に住宅の太陽光発電システムを設置する場合、太陽電池はモジュール単位で販売されますが、設置後はアレイとして扱われます。例えば100Wの太陽電池モジュールを10枚設置するということは、100W×10枚=1000W(1kW)より、1kWの太陽電池アレイということになります。太陽光発電システムの「システム発電効率」は「平均アレイ効率」にインバータ変換効率をかけることで求められます。この「平均アレイ効率」とは、実際の日射量での太陽電池アレイの出力直流電力を対象とした発電効率を指しています。

  • 太陽電池セル

    太陽電池セルは太陽電池の基本単位です。太陽電池は、太陽から放たれる光エネルギーを吸収して電気に変換するエネルギー変換素子で、シリコンなどの半導体で作られています。この半導体に太陽光が当たると、光の強さに比例して発電を繰り返し行うという仕組みで、発電効率が良くなるよう表面の研究開発が進めらています。太陽電池セルには電気をためる機能がないため、電気を貯める蓄電池および充放電管理システムの検討も必要になります。太陽電池セルを必要数配列して、屋上などの屋外で利用できるよう樹脂や強化ガラスを纏わせパッケージ化したものを太陽電池モジュール(太陽電池パネル)と呼ばれています。発電効率の向上のため北半球においては、南向きの設置が推奨されています。

  • 太陽電池モジュール

    太陽光で発電を行うパネルのことを太陽電池モジュールもしくは太陽電池パネルといいます。太陽電池モジュールは太陽電池セルを必要数集めて繋ぎ、ガラスや樹脂、アルミフレームなどでパネル状にしています。従来は硬い製品が一般的でしたが、技術の進歩により薄膜型の太陽電池セルを使うことで柔軟性のあるものも作られてきています。太陽光発電システムとして、住宅の屋根の上に設置されるものから、人工衛星や宇宙ステーションに設置されるものまで使用用途は多岐に渡ります。また、大電力を供給する太陽光発電所では、多数の太陽電池モジュールが用いられています。複数の太陽電池モジュールを組み合わせたものを「太陽電池アレイ」や「ソーラーアレイ」と呼びます。

  • 対地電圧

    対地電圧とは電線と接地点または接地側電線との間の電圧のことです。一般的には単相3線は赤、白、黒の順で並んでおり、白を接地と見なし、赤を-100V、黒を+100Vとします。単相3線式200Vでは黒-白は+100V、赤-白は-100Vとなり、黒と赤の電位差は200Vですが、接地された白線との電位差は黒・赤共に±100Vとなるため、対地電圧は100Vです。これに対し、三相200Vにおいては3線共に200Vとなるため、対地電圧は200Vです。電気設備技術基準では住宅の屋内では対地電圧は150V以下でなければいけません。しかし、一般住宅でIHやエアコン用に200Vのコンセントがあるのは、この200Vが単相三線式200/100Vの回路であり、対地電圧が100Vであるためです。

  • 耐塩

    耐塩とは、常時、飛来塩分の影響はあるもの、重耐塩のレベルほどの高い濃度での影響は受けない地域で求められる塩害への耐性レベルのことです。沿岸部に近接する地域に受変電設備や計器類、電線管などを設置する場合、海から飛来する塩分により非常に大きな影響を受ける為、各設備、機器類の表面塗装を塩害対応とし、サビや劣化に備える必要があります。一般に目安として、海岸から2km以内の地域が塩害地域と区分され、耐塩のレベルでの備えが必要とされますが、風向や、海抜高、海岸性の形状といった地形的要因などの影響による大きな差が発生し、場合によっては重耐塩レベルに匹敵する高い濃度下に置かれる場合もあるため、その地域の状況や特性を踏まえた塩害対策を決定する必要があります。

  • 耐塩塗装

    塩害という言葉を聞いたことがありますか。海に近いところでは、鉄が短時間で錆びてしまうなど、いろいろ不都合なことが起きます。これを塩害といいます。電気設備がこのようになると危険なので、塩害に耐えられるような塗装を施して防ぎます。これを耐塩塗装といいます。耐塩塗装にもいろいろな種類がありますが、一般的な塗装と比較した場合、塗り重ねの工程が多く、塗装の膜の厚さが厚いのが特徴です。また、耐塩塗装されているかどうかの判断基準として、塗装の膜の厚さを検査することがあります。塗料の材料や膜の厚さも重要ですが、塩害は構造物の表裏を問わずに影響がありますので、均一で塗り残しがないことが大事な要件となります。このため、粉体塗料による電着塗装もよく用いられます。

  • 耐震計算

    地震で家やビルがぐらぐらと揺れたとき、その建物が地震に耐えられることがわかっていると安心です。同様に、キュービクルなどの電気設備も地震に対して耐えられるように作られていなければなりません。しかし、むやみに頑丈に作ろうとすれば、膨大な費用がかります。また、必要以上の材料を使うことによって、設備を設置するためのスペースも大きくなってしまいます。このようなことを防ぎながら、電気設備が確実に地震に耐えられるようにするため、設計段階で十分な強さを確保するための計算を行います。これを耐震計算といいます。耐震計算では、構造物としての単純な強度のほか、予想される地震の大きさと重心位置によって、地面や建物に固定する材料(アンカーボルト)の太さや、固定する間隔などが確認されます。重要なのは、接地面から重心の距離が、地面や建物に固定する間隔に比べて十分に小さいことです。単純に重心位置が低いだけでは安全であるかどうかはわかりませんので、注意が必要です。

  • 待機冗長運転

    並列冗長運転とは、コンピューター、通信システムなどにおいて、設備の故障などによるシステムの停止を防ぐために、予備システムを常に待機させておいて、システムに障害が発生して停止した際に予備のシステムが代わりに稼働することで、全体のシステムを止めないで運用できるようにする運転方法です。コンピューターシステムにおいて、停電によるシステムの停止を防ぐためにUPSを設置することも、待機冗長運転と言えます。通常、待機冗長運転の場合、メインシステムが稼働中には、サブシステムは停止しています。そのため、メインシステムが停止した際に、速やかにサブシステムに切り替えができる、サブシステムの選択が必要です。ただし、メインシステムとサブシステムの能力を同じにする必要はありませんので、コスト的には安くすることができます。

  • 単線接続図

    単線接続図とは、機器の接続関係や設備内容を簡潔に示した、電気設備の設計図です。英語ではskeleton diagram(スケルトン・ダイアグラム)と表記されており、日本では単結やスケルトン等の略称が使用されることもあります。単線接続図では、変圧器、遮断機、コンデンサ、開閉器などが、アルファベット又は数字による略称や、記号を用いてシンボルマークで表現されています。また、単線接続図では、受変電設備、分電盤、制御盤等の接続方法や、仕様、容量等が単線で簡潔に表現されています。ただし、実際の配線が単線で行われているわけではなく、単線接続図は飽くまでも概要を示しているのみです。これに対し、仕様、容量、接続方法などが配線本数と共に具体的に表現されているものは「複線接続図」と呼ばれています。

  • 単相

    単相とは、単一の相で加えられる交流電圧や、これによって流れる電流で、代表的なものに家庭のコンセントから得られる100Vの単相交流電圧があります。交流は、乾電池などから得られる直流と違って、電圧が時間とともに周期的に変化します。この変化の周期が同じでも、ある交流に対して一定の割合で早めに変化したり、遅めに変化したりする交流もつくることができます。2つ以上の交流が流れているとき、進み具合や遅れ具合を相といいますが、相の異なる2つの交流を2相といい、3つなら3相といいます。これに対して、1つの交流のことを単相と呼んでいます。家庭のコンセントの電気は電線2本で供給されるため、1つの相の交流しか流せません。また電圧が100Vなので「単相100Vの交流」と呼びます。

  • 単独運転

    単独運転とは、商用電源から切り離された単独の系統において、分散型の電源から送られてくる電力のみで通電している状態をいいます。発電設備が連系する系統などで事故が発生すると、系統の境界である遮断器を作業で操作する場合、あるいは火災などの緊急時に設置される開閉器を操作した場合などに、商用電源から切り離された系統内で単独運転を継続することとなります。本来、無電圧のはずの場所で充電が行われるので人体への感電や機械の故障を招くこととなり大変危険です。もともと被害があった場所以外でも連鎖的に被害が拡大していく可能性が高く、また復旧遅れなどにより信頼度の低下を招く可能性があることから、保護リレーなどを用いて単独運転を直接または間接に検出して、発電設備を系統から切り離す単独運転防止対策を行うことが義務付けられています。

  • 単独運転防止装置

    単独運転とは、電力会社から供給される系統において、分散型電源から供給される電力のみで配電線に通電している状態をいいます。系統側が停電した時において、負荷側の電力とDC-ACコンバータの出力電力が同じ場合は、DC-ACコンバータの出力電圧は変動しないので停電を検出することは困難であり、システムから系統側に電力供給が持続されたままの可能性があります。保安点検者は全ての配電線が当然停電していると勘違いしてしまい、触れた際に感電の危険があるため単独運転を完全に防止する必要があります。逆潮流有りの連系には安全のために、単独運転防止装置が設けられています。分散型電源を系統へ接続する場合は、単独運転防止装置の設置が義務付けられているため注意が必要です。

  • 短絡

    短絡とは、一般的には「ショート」とも呼ばれているもので、電気が流れているもの同士が接触をすることで、抵抗が電線抵抗のみになった状態のことを言います。短絡が生じると非常に大きな電流が流れるため、とても危険です。具体的には、異常発熱して発火する、その部分が焼損する、火傷などの怪我をする、最悪爆発が起きるなど、大きな事故に繋がることもあります。また誤作動によるデータの損失が起こる可能性もあります。短絡が起こる原因ですが、細い導線を寄り合わせて作ったより線の一部が、配線処理の不都合ではみ出ている、ハンダ付けの際にハンダの量が多すぎる、電線を誤って配線する、スイッチ等の誤作動、部品の劣化など様々な物が考えられます。

  • 短絡電流

    短絡電流とは、短絡発生時に流れるその回路電気機器の設計上の許容電流を越える電流のことです。短絡発生時、電気回路の2点が低インピーダンスで電気的に接続されているかつ、負荷抵抗が電線抵抗のみの状態となるため、非常に大きな電流が流れることになります。短絡電流が長時間に渡り流れ続けると、発熱により電気回路、関連部品の焼損、最悪の場合大規模な火災に繋がり、人命が損なわれる大事故に発展する可能性もあり、迅速に遮断する必要があります。短絡電流の遮断方式には、短絡電流を検知した際に、電流波形が最高値に到達する前に即時遮断する限流遮断方式と、検知時に電流の波形が零点を通過した際に遮断する非限流方式があり、電力ヒューズは前者に該当します。

  • 断路器

    断路器とは、高電圧で電力の供給を受ける設備の最も電源側(上流側)で回路の開閉を行う、スイッチの一種をいいます。しかし、一般の遮断機やスイッチとは異なり、電流が流れている回路の入り切りはできません。断路器の主な役割は電気設備が高電圧から解放された状態を確保することにあります。したがって断路器を開閉するときは、断路器より負荷側(下流側)で回路のブレーカーなどを切って、電流が流れていない状態で行います。これは主に、空気中で高電圧電流が流れている回路を開くと、その部分に放電(アーク)が起こって電流が流れ続け、機器の破壊や火災の原因となって大変危険なためです。なお、高電圧電流が流れた状態で回路を開くことができる高圧遮断器は、遮断する部分が真空になっていたり、アークを防ぐガスを吹きつけるなどの特別な仕組みを持っています。

  • 地絡

    地絡とは、ある電位差(高圧)を持つ電子回路などが大地と電気的に接続される状態のことをいいます。わかりやすく言えば、ある電気回路と大地が短絡(ショート)した状態にあることで、これは漏電状態の一種ともいえます。三相交流で1線もしくは2線が地絡した場合には三相の負荷の平衡が崩れてしまい、大地に対して高圧となるために零相電圧、零相電流が発生します。当然大地との間に地絡電流も流れます。これが人に通電した場合感電となり心臓停止などの症状を引き起こすこともあるため大変危険です。そのため地絡を検出するために零相変流器や設置型計器用変圧器で異常な電流や電圧を検出して保護リレーが操作し、被害を最小限に抑えるようにしています。

  • 地絡過電圧継電器

    地絡過電圧継電器とは、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置である継電器の一種であり、大地と電路との間の絶縁が極度に低下してアークもしくは導体によってつながる、いわゆる地絡事故時に発生する零相電圧を検出して動作します。主に地絡発生の警報や後備保護用として使用されています。太陽光発電システムを高圧連系する場合、系統を保護するために地絡過電圧継電器の設置が法令(系統連系規定)で義務付けられており、地絡過電圧継電器が動作した場合、太陽光発電システムから送られてくる直流の電気を交流に変換するパワーコンディショナーが停止するようになっています。50kW未満の低圧連系では地絡過電圧継電器は設置しなくてもかまいません。

  • 地絡継電器

    地絡継電器とは、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置である継電器の一種であり、電路において電気機器やケーブルの絶縁が劣化もしくは破壊してアーク地絡・完全地絡を起こして電路と大地の間が接触する事故を検出することができます。したがって、地絡事故が電力の受電側で発生した場合に受電側のみを遮断することで事故の範囲を限定して、上位にある配電用変電所への影響を防ぐために使用されます。地絡継電器の英語での表記はGround Relayで略称はGRです。一般的には地絡事故時に発生する零相電圧を零相変流器で検出、その大きさのみで動作する地絡継電器が広く使われますが、このほかに地絡方向継電器がありますが、(別記)。

  • 地絡方向継電器

    地絡方向継電器とは、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置である継電器の一種であり、電路において電気機器やケーブルの絶縁が劣化もしくは破壊してアーク地絡・完全地絡を起こして電路と大地の間が接触する事故を検出することができます。したがって、地絡事故が電力の受電側で発生した場合に受電側のみを遮断することで事故の範囲を限定して、上位にある配電用変電所への影響を防ぐために使用されます。地絡事故時に発生する零相電圧を零相変流器で検出、その大きさのみで動作する地絡継電器とは異なり、地絡方向継電器は零相変流器と零相電圧検出装置で零相電圧を検出して大きさと位相関係で動作します。設備内ケーブルが長くなる傾向にある最近は、地絡方向継電器が採用されるケースが増えてきています。

  • 中性点接地

    家庭で使われる機器にはアース(接地)線がついたものがあります。これを使って機器の金属部分を大地と同じ電位にしておくことで、感電や漏電による事故を防いだり、電気的なノイズを軽減したりすることができます。このような使い方をするため、交流100Vの片側1線は電源側でも接地されています。これによってもう一方の線は常に大地に対して100Vであることになります。詳しくいいますと、単相交流200Vの半分(電気的に中立となる)の点を中性点として接地すると、両端の電圧はどちらも接地点から100Vになり、これを100Vの単相交流として使います。このような接地方法を中性点接地といいます。大電力を使う機器のためには、両端の電圧を用いて200Vの単相交流として使います。さて、工場などで使う3相交流は3本の電線で送られますが、電気的に中立な4番目の線(中性線)を作って、3相交流を4本の電線で送ることもできますが、3相交流のバランスが完全である場合、この中性線には電流が流れません。このため、この線は省略されるのです。しかし、電源側では現実に電気的に中立な中性点が設けられて、安全のためにこれを接地しています。これも単相交流の接地と同じ考え方で、中性点接地といいます。なお、3相交流200Vの変圧器の2次側では、中性点が設けられていない場合、3線のうち1線を接地することになっています。

  • 柱上変圧器

    柱上変圧器とは、柱上トランスとも言われ、架空配電線路において電柱に固定具を取り付けて使用される変圧器のことです。我々の身近なところでいいますと、変電所等から流れてきた6600ボルトの高電圧を、一般家庭で使用できるように100~200ボルトに変更するための装置です。一般的に、柱状変圧器は灰色の塗装を施した円筒形をしており、本体に標示している数字は定格容量のことで、単位はkVAです。本体内部は絶縁油によって満たされ、油入自冷式という冷却方式が採用しています。最近では、この絶縁油内で使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が人体や環境に悪影響を与えるとの調査より、撤去や交換などの作業が行われています。

  • 直接接地

    家庭や工場で使われる電気を送り出す変圧器で、安全のために電気的に中立な点(中性点)を設けて接地することを中性点接地といいます。このとき、安全と機器の保護などの面からいろいろな接地方法が考えられ、その1つが「直接接地」という方法です。これは読んで字のごとく、変圧器の中性点を直接電線で接地する方法で、簡単なようでありますがすべての中性点接地に用いられるわけではありません。その理由として、実際に地絡(ちらく:電線が、接地された金属や地面に触れる)事故が起こった場合に流れる電流の大きさが非常に大きくなることが挙げられます。このため、接地線を太くするなど、遮断器の能力を大きくしておく必要があります。これは非常に高い電圧(187kv以上)の変圧器の接地に用いられます。

  • 直流送電

    発電した電気を各地に送る送電方法の1つに直流送電があります。電気を直流で送る直流送電は、交流送電よりも送電時の電線の抵抗などにより電気エネルギーが熱エネルギーに変換されて失われる現象の「送電損失」が少ないため、長距離送電にむいています。日本では北海道と本州を接続する北本連系などがあります。直流送電のメリットには、絶縁が容易なことや、表皮効果がないことなどがあります。デメリットの1つとして変換設備(交流→直流、直流→交流)が必要で、設置の費用に加えメンテナンス部品が多いためメンテナンスコストが大きくなることがあげられます。さらに、変換時に発生する高調波対策も必要になることも弱点のひとつといえます。

  • 直流連系

    日本は島国であるため、電力を北海道、本州、四国、九州で融通し合えるよう各島間を高電圧の送電線で接続していますが、その設備を「連系設備」といいます。連系設備の中でも、直流電力で電力を融通しているものを直流連系といい、現在は本州と北海道および本州と四国の2ヵ所で運用されています。各島間を接続するには長距離の送電線が必要となり、長距離送電の場合、直流は交流よりも、送電時の電線の抵抗などにより電気エネルギーが熱エネルギーに変換されて失われる現象の「送電損失」が少ないため、直流連系が採用されています。ただし、直流連系には、送電線の両端に交流を直流、直流を交流に変換する「変換所」が必要となるため、建築コストや保守・運用コストがかかります。

  • 直列リアクトル

    直列リアクトルとは、進相コンデンサに接続して利用する電気設備です。電気装置の力率を改善するために電路に進相コンデンサを接続すると、高調波により系統の電圧波形のひずみが大きくなりますが、直列リアクトルを接続することでこれを防止、改善し、さらにコンデンサ回路の開閉に伴う突入電力を抑制する効果も見込めます。JIS、およびJEACにおいて原則、コンデンサには直列リアクトルを取り付けて利用することが明記されており、推奨されています。利用上の注意としては、直列リアクトルを接続することによってコンデンサの端子電圧が上昇すること、コンデンサの設置規模によっては、一部のコンデンサにのみ直列リアクトルを接続して利用すると、大きな高調波電流がコンデンサに流入してしまう可能性があることなどが挙げられます。

  • 低圧

    低圧(低電圧)とは、直流では750V以下、交流では600V以下の範囲内の電圧を指しており、これは電気設備技術基準によって定義されています。電圧は、その大きさにより大きく3種類に分類されています。一つは本項目に記載される低圧です。一つは高圧(高電圧)で、直流では750V〜7000V、交流では600V〜7000Vの範囲内の電圧を指します。もう一つは特別高圧で、直流、交流共に7000Vを超える電圧を指します。低圧で使用される機器には、高圧や特別高圧で使用される機器より比較的小型のものが多く、受電設備が不要なため取り扱いが比較的容易で安全性も高いですが、電力のロスが大きく電力単価が高いというデメリットも存在します。

  • 抵抗接地

    変圧器の1次、2次側に電気的に中立な点(中性点)を設けて接地することを中性点接地といいます。その1つの方法として、導線によって直接接地するのではなく、ある程度の電気抵抗を持たせて接地する方法があります。これを抵抗接地といいます。接地方法の1つとはいうものの、乱暴にいえば接地しない状態(非接地)と直接接地との中間になるわけです。このため、直接接地と比較した場合の特徴も、非接地と直接接地との中間的なものになります。したがって、地絡事故が起こった場合、地絡していない電線の電圧が高くなる傾向があります。このため、これに備えて各電線や機器は、十分な耐電圧(絶縁)が求められます。また、地絡事故が起こっていない平常時は直接接地と比較して、中性点の電位の変動が大きくなる傾向があります。また、地絡事故が起こったことを検出する際、直接接地と比較して地絡電流そのものが小さいので、検出が遅れないような拝領が必要になります。

  • デマンド監視装置

    デマンド監視装置とは、設定した最大需要電力であるデマンド値を越える際に警報を発する機械です。デマンド値超過時の警報だけでなく、あらかじめ設定した機器の自動制御を行うことができるものはデマンドコントローラーといいます。高圧電力メーターが測定する30分ごとの電力の平均値がデマンド値ですが、高圧の電力契約では、1年間での最大デマンド値が契約電力となるため、特定の時間帯のみ高いデマンド値を記録した場合、年間の契約電力は大きくなってしまいます。デマンド監視装置は、コンピューターなどによる時間ごとの電力消費量のモニタリング・分析ができるため、ピーク時の電力の移行、契約電力の低減によるコスト削減や省エネルギー化が可能になります。監視対象の設備が複雑な場合、使用電力状況に応じて手動制御を行うこともできます。現在、電機メーカーなど各社から発売されており、オフィスビルをはじめとする様々な施設に導入されています。

  • テレメータ

    様々なデータを遠隔で測定し、収集したデータを監視箇所へ一定間隔で自動送信する装置をテレメータと言います。国や自治体では、災害の発生などを監視するために、各地に雨量や積雪、道路の交通情報を測定する装置を設置し情報を収集して監視しています。火山が噴火した際の泥流の検知や地震の発生を検出するものなど、自然災害を監視する装置もあります。テレメータシステムを構築するには、上記で説明した観測局装置の他に、各観測局装置からデータを収集する監視局及び観測局と監視局を繋ぐ通信回線が必要です。通信回線には無線を使用した無線回線や光ファイバーなどを使用した有線回線があります。装置の電源を確保できないような山奥などの箇所に設置される観測局は、太陽光発電システムによって運用されています。

  • 電圧計

    電圧計とは、電圧を計るための測定器です。仕組みは電流計とほとんど変わりません。電圧は、オームの法則より電流と抵抗を掛け合わせることで算出することが出来ます。つまり電圧計は、電流計が測定した値に、内部抵抗を掛け合わせた値を計測値として出しています。電圧計は電流計と同じ仕組みと書きましたが、回路につなぐ時は電流計とは違い並列につなぎます。多くの電圧計には赤いプラスの端子が一つ、黒いマイナスの端子が大きい方から順に300V、15V、5Vの三つついています。回路の電圧を測定する時は、プラス極は赤い端子に、マイナス極はまず300Vの端子につなぎ、低い電圧を計りたい場合は、15V、5Vと小さい方につなぎ変えることで電圧を測定します。

  • 電圧降下

    電圧降下とは、もとの電圧が何かの事情で低くなることで、電源電圧そのものの低下によるものと区別して電圧降下と呼び、一般的には電線によって電力を供給する際、電線の抵抗などによって起こる現象を指していいます。電圧降下が大きくなることは、流れる電流の大きさによって電圧の変動が大きいことを意味するので、電力会社の配電線路だけでなく、一般の電気設備や電子回路でもできるだけ小さくするような工夫がされています。電力会社が、発電所から高電圧で送電し、段階的に電圧を低くして供給しているのはこのような理由によります。一般的に電線の材料には銅が用いられますが、実は同じ重さで比べると、太くできるのでアルミニウムの方が抵抗は小さくなります。このため、高電圧の送電線には、鋼線を芯にしたアルミ線がよく用いられています。

  • 電圧試験端子

    電圧試験端子とは、制御機器や回路の電圧を試験測定するために設けられた端子で、キュービクル内の保護継電器の電圧試験測定のために用いられることが多いです。キュービクルとは、発電所から送電される高圧の電気を、集合住宅や商業施設等で利用可能な100〜200ボルトの電圧に降圧するための設備です。キュービクルが、雷サージ等、何かしらの原因によって異常を起こした場合、影響が他所に波及するのを防ぐために保護継電器が設置されています。この保護継電器は継電器の一種で、入力に対する出力を制御するものです。保護継電器の動作確認をするために、異常な短絡状態を人工的に作って、当該電圧試験端子を用いて電圧試験測定を行うことで、安全性が確保されています。

  • 電気工事施工管理技士

    電気工事施工管理技士は読んで字のごとく、電気工事の施工を管理する技術者です。といってもピンときませんね。以前から電気工事士という資格がありましたが、こちらは、電気工事を行うのに必要な資格です。あれっと思った人もいるかも知れません。電気工事の施工を管理する電気工事施工管理技士は、電気工事ができる必要はないのです。また、電気主任技術者は工場などで選任を義務づけられている電気工事や保安の技術者です。こちらの有資格者も電気工事はできませんが、一定の条件のもとで、電気工事士が代行することはできます。さらに掘り下げると、電気工事施工管理技士は国土交通省、電気主任技術者と電気工事士は経済産業省の所管です。つまり、一定以上の規模で建設工事を行うとき、これに伴う電気工事を管理するために必要な資格といってもよいでしょう。特に、請負額3000万円以上の場合には監理技術者がいないと工事ができませんが、1級電気工事施工管理技士はこの監理技術者としての資格も持つことになっていることから、この資格の目的がより明確になるでしょう。

  • 電気主任技術者

    電気主任技術者は工場などで選任を義務づけられている電気工事や保安の技術者です。しかし、単に義務づけられているからいる、というのではなく、有資格者は電気の理論や電気を取り扱う方法について相当に長けており、電気設備を安全に運用するだけでなく、故障や事故を予見して未然に防ぐ(予防保全)ための知識も豊富に持っています。このような技術者と電気工事士が連携することで、電気設備の機能を最大限に生かし、かつ費用や危険はできるだけ抑えるという運用ができるようになっています。因みに、電気主任技術者と電気工事士は経済産業省の所管で第一種・二種という呼び方、電気工事施工管理技士は国土交通省の所管で1級・2級という呼び方になっているのも上のような理由であると考えられますね。資格の適用範囲は、第三種電気主任技術者は電圧5万ボルト未満(例外あり)、第二種では電圧17万ボルト未満、第一種ではすべての電気に関わる工事、維持、保安の監督が行えますから、第一種が必要になることは稀でしょう。ただし、いずれの場合も認定制度によって資格を得ることが可能で、第一種では4年生大学、第二種では短大学または高専、第三種では工高の電気工学を納めていれば実務経験によって認定されますので、稀にペーパー電気主任技術者は存在します。

  • 電磁接触器

    電磁接触器とは、マグネチックコンタクタとも呼ばれ、リレーと同様に、電磁石によって接点を開閉するものです。リレーとの相違点は、モーターや電熱器などの大電流を開閉する主接点と、動作状態を制御回路に知らせる補助接点によって構成され、しかも耐久性に優れていることです。また、多くの電磁接触器は、主接点の交換、補助接点の追加、サーマルリレー(過負荷保護装置)との組み合わせに対応しています。サーマルリレーと組み合わせたものを特に電磁開閉器(マグネチックスイッチ)と呼びます。間違いやすいので注意しましょう。最近では接点を電力用半導体に置き換えたソリッドステートコンタクタも普及しています。こちらは接点がないのでノイズの発生が少なく、寿命もさらに長くなっています。

  • 電着塗装

    塗装とは塗料を塗ることで、身近なところでは液体の塗料を刷毛やスポンジローラーに含ませてぺたぺたと塗るイメージがありますが、最近ではいろいろな方法があります。その代表的なものが、静電気の力を利用して水中や空中に漂わせた微粉末の塗料を、塗装の対象物に引きつけて膜を作る方法です。これを電着塗装といいます。人間の手が届かないような所やわずかな隙間にも塗料が入り込んで均一な膜となるので、耐久力の大きな膜を作ることができます。電着塗装にもいくつかの種類があり、空気中で電着した塗料を高い温度で焼きつける方法や、水中で電着して、そのまま化学変化を起こして丈夫な膜になる方法などがあります。後者はカチオン電着塗装と呼ばれています。

  • 電流計

    電流計とはその名の通り、電流値を計るための計測器です。電流計は、電流が発生させる磁場を利用をして、該磁場によって引き寄せられる磁石の移動距離をもって電流値を測定しています。電流計は、回路と直列につないで使用されます。電流は並列回路では二股に分かれて流れるため、電流計を回路と並列につなぐと正確な値を計測できないからです。電流計には、一般に、プラス端子が1つ、マイナス端子が3つ(5A、500mA、50mA)設置されています。3つのマイナス端子は、計測する電流の大きさによって使い分けられます。それぞれの端子の数値は、それぞれの端子を使用した場合に計測できる電流値の最大値で、最大値が小さければ小さいほど細かい数値を読み取れるように設計されています。

  • 電流試験端子

    電流試験端子とは、制御機器や回路の電流を試験測定するための端子で、中でも特に保護継電器の電流試験測定を行う時に使用するものを指すことが多いです。保護継電器は回路を保護するための装置で、保護継電器が正常に動作しなければ異常発生時に回路を保護することができません。従って、この装置の動作が正確であるかを調べ、保守、点検することは回路の信頼度を保つために、電流試験端子を使った電流試験測定は重要です。締め付け形試験用端子やプラグイン形試験用端子があり、いずれの形の端子でも試験を行うときは端子間の回路を強制的に短絡させて異常な状態を人工的に作った状態で検査できるような構造になっています。この試験で特性に大きな変化が見られた場合は修理や交換が必要となります。

  • 電力ヒューズ

    電力ヒューズとは、電気回路に一定以上の電流が一定時間以上流れた際、ジュール熱によって内蔵するヒューズエレメントが溶断することで電気回路を開放し、保護する電力機器です。電力ヒューズの長所として、限流遮断が可能であること、密閉構造のため、アークやガスが発生しないこと、保守点検が容易でコストも比較的小さいことが挙げられます。短所として、繰り返しの使用ができないこと、遮断不能域があること、負荷開閉ができないことが挙げられます。電力ヒューズの種類として、変圧器用ヒューズ、一般用ヒューズ、コンデンサ用ヒューズ、電動機用ヒューズがあり、それぞれ保護する対象の機器によって、溶断までの許容回数や始動電流に対する特性が定められています。

  • 電力計

    電力計とは、名前の通り電力を測定する計器をいいます。電力の大きさは電圧と電流の積によって求められますが、指針で指示するタイプの電力計では内部のコイルの組み合わせによって、指針の動きが電圧と電流の積に比例するような構造になっています。最近ではデジタル式の電力計も普及していて、こちらはデジタル演算によって電圧と電流の積を求めています。どちらを使っても注意しなければならないのは、交流で働くモーターや蛍光灯の電力測定では力率による無効電力の存在を考えなければならないことです。また最近ではインバータなどの使用によって、電流に含まれる高調波も多くなってきています。
    一般に、電力の測定は、むだなく電力を使用するために行いますので、指示されるのは皮相電力、有効電力のどちらか、高調波の影響の有無などを知っておく必要があります。

  • 電力自由化

    電力自由化とは、地域独占となっていたこれまでの制度を廃止・緩和することで、これまでの電力会社以外の販売を促し、企業や個人が自由に契約会社を選べる一連の改革のことをいいます。100社以上もある電力会社から、料金体系、発電方法など、それぞれのライフスタイルに合った電気を自由に比べて選べます。これにより、さまざまな業種の会社が新たに電力の販売を始め、これまでの電力会社も地域の枠を超えて互いに競い合いサービスを展開するようになりました。これまでと比べて、契約先により電力の供給が不安定になるということはありません。全ての会社の電気は、今までと同じ送電電力網で送られています。このため、電力会社やプランによって受け取る電気の品質が違うということは一切なく、安定した電力供給がされます。電線や電柱の故障・事故が起きても、送電会社が全て受け持つため、対応の速さに変わりはありません。

  • 電力量計

    電力量計とは、電力量を測定する計器をいいます。最も身近な電力量計は、建物の外壁に取りつけられていて、中で金属の板がくるくる回っている、アレです。この計器の動作原理は交流モーターなので、電圧と電流の積に比例した力で金属板が回るようになっています。ここまでは電力計と同じですが、金属板が回った回数を歯車式のカウンターで数えていますので、適当な方法で回転速度を整えると、カウンターの表示は電力量に比例することになります。また回転速度は現在消費している電力の目安となります。また最近、デジタル式電力量計への置き換えが始まりました。動作原理は違いますが、電力と時間の積をデジタル演算で求めるので指示される値は同じになりますが、回る金属板がなくなったことで、現在の電力計の目安がなくなりました。ちょっと不便かも知れません。

  • 灯動共用変圧器

    発電所でつくられた電気は、数万~数十万Vという大変高い電圧で送られてきますので、私たちが使うときには何らかの方法で100Vや200Vの電圧にする必要があります。これを行っているのが変圧器です。身近なところでは電柱の上に乗っている変圧器を見ることができます。大きな工場や店舗では、変電設備を納めた建物や部屋があり、この中に変圧器が納められています。大電力を扱う変圧器は大きくて重いので、何とか小さくするくふうがされています。その1つが「灯動共用変圧器」です。工場では3相交流と単相交流という電気が使われていますが、元は3相交流で送られてきて、その一部(1相分=単相)を、それぞれの変圧器から取り出して単相交流として使っているのです。ですから、変圧器を共用できればその分だけ変圧器の台数を減らし、小型にすることができます。灯動共用変圧器はこのような長所がありますが、反面短所もあります。3相交流はそれぞれの電圧、電流のバランスが悪いと、これを使っているモーターなどの機器の能力が低下したり、変動したりすることがあります。このため、実際にこのような使い方をするときには、単相で使う機器や設備が使う量(容量)を制限したり、特殊なシステムによって制御したりして、3相交流のバランスが崩れることを最小限に抑えるような工夫がされています。

  • 特別高圧

    特別高圧とは、7000Vを超える電圧を指しており、これは、電気設備技術基準によって定義されています。電圧は、その大きさにより大きく3種類に分類されています。一つは本項目に記載される特別高圧です。一つは低圧(低電圧)で、直流では750V以下、交流では600V以下の範囲内の電圧を指しています。もう一つは高圧(高電圧)で、直流では750V〜7000V、交流では600V〜7000Vの範囲内の電圧を指しています。特別高圧は、低圧や高圧に比べて電圧が高いため、事故発生時に重大なものとなりやすいですが、電圧のロスが小さく、電力単価が安いというメリットもあります。一般的には発電所から変電所や受電設備間において特別高圧で送電されています、

  • 特別償却

    特別償却とは、特定の設備を購入し使用した場合に、一定期間に限り減価償却費を通常より多く計上できる制度です。課税される所得が減額され負担が軽くなることで、設備投資のハードルが下がるため、設備の普及促進が期待されています。特別償却できる設備の一例として、太陽光発電設備、高額の機械設備、ソフトウェアがあり、これらの設備は制度が利用出来るだけではなく、優遇税制(特別償却もしくは税額控除)を選択することが出来ます。一般的に特別償却より税額控除の方が有利になるケースが多いですが、それぞれ税金を計算する過程で控除できるタイミングが異なるため、資金繰りの計画を含めた検討をすることが大切です。即時償却するほど利益がなくても、一定以上の利益があれば特別償却を選択することもできます。

  • 独立運転

    独立運転とは、商用電力系統に接続されていない独立した負荷を、分散型電源で直接運転している状態をいいます。停電時の非常電源としてだけでなく、離島での電源として連続的に使用することもあります。独立運転は蓄電池と組み合わせて使用されることが多く、家庭での太陽光発電設備は、発電した全量もしくは一部の電気を事業者に買い取ってもらっているような事例もあります。独立運転に切り替えることによって、地震や台風などの災害時や非常時に電力会社等からの電力供給がなくても、太陽光発電設備があれば非常電源を用意することができます。しかし蓄電池を接続しないと独立運転で発電することは出来ても、非常時用に貯めることは出来ないため注意が必要です。

  • トップランナー変圧器

    トップランナー変圧器とは2003年4月1日に施行された省エネ法に盛り込まれた「トップランナー方式」において、省エネの基準を満たした変圧器のことを言います。対象規格は、油入変圧器、モールド変圧器で容量が単相:10〜500kVA、三相20〜2000kVA、電圧が高圧:6kV、3kV、低圧:100V〜600Vとなっており、ガス絶縁変圧器、H種乾式変圧器、スコット結線変圧器、モールド灯動変圧器等は対象外です。2014年度の改正省エネ法により、さらに省エネ性能の進んだ基準によるトップランナー変圧器2014が運用されています。この基準に適応した変圧器には、トップランナー変圧器2014のロゴが表示され、以前のトップランナー変圧器と識別できるようになっています。

  • 突入電流

    突入電流とは、ある負荷に通常流れる電流に対して、電流を流し始めたときの短い時間に、非常に大きな電流が流れる現象や、その電流を指していいます。突入電流は電球、モーター、ACアダプタなど、身近な電気器具の多くに見られます。ACアダプタをコンセントに差すとき、パチッと火花が出ます。これは、一瞬非常に大きな電流が流れているからです。小さな電気器具では問題になりませんが、消費する電力の大きな電気器具をそのまま使うと電源への負担が大きく、電線を必要以上太くする必要があるので、突入電流を小さくする対策が必要です。代表的なものに交流モーターのスター・デルタ始動があります。また大型インバータでは、直流電源回路に小さな電流で充電してから始動する方式がよく用いられます。

ナ行
  • ニッケル水素電池

    ニッケル水素電池とは、プラス極にオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)、マイナス極に水素(水素吸蔵合金)、電解質に水酸化カリウム溶液を用いた二次電池です。1970年代に人工衛星用のバッテリーとして開発が始められました。長所として、エネルギー密度が高い、過充電・過放電に強い、単価が比較的安い、急速充電ができる、リチウムイオン電池やカドミウムを使うニカド電池に比べ安全性が高い等が挙げられます。短所としては、自然放電によって、使わなくても電池容量が減ってしまうことや、使い切らないで充電することによる電圧の低下(メモリー効果)などがあります。ただし、三洋電機(株)の開発したエネループによってこれらの欠点も克服され、乾電池型の二次電池にはほぼニッケル水素電池が使われています。ハイブリッド自動車用のバッテリーや家庭用の蓄電池としても利用されていますが、コストが下がり、安全性の増したリチウムイオン電池への移行が進んでいます。

  • 認定キュービクル

    認定キュービクルとは、社団法人日本電気協会によって定められた認定基準に適合しているかどうか厳正な書類審査、現場審査によって確認され、合格したキュービクルのことです。キュービクル認定制度の目的は、消防法法令上の消防用設備等の電源確保に寄与することであり、認定キュービクルのメリットとして、JIS規格を保管するより厳しい基準に沿って認定されるため、優れた品質であると評価される、消防法令上の設備技術基準に適合していると判断されるため、消防検査を簡略し省力化できる、などが挙げられます。一度認定されたキュービクルの全面扉には認定銘板が貼付され、製造工場では認定基準を満たす品質が保たれているか定期的な検査が行われます。

  • 熱交換器

    暖房器具の一つにオイルヒーターというものがあります。多くのうすいフィン(ひれ)を持っていて、それぞれのフィンには暖められたオイルが通っています。これによって周囲の空気に触れる面積を大きくし、暖められた空気の自然な対流によって暖房します。変電所に設置された大きなトランスにはこれとよく似たものがついています。ただし、その目的は暖房ではなくトランスの冷却です。また、自動車にはラジエータというものがあって、エンジンで熱せられた冷却水を表面積の大きなラジエータに通して、ファンであおいで冷やしています。このようにすることで、エンジン自体をファンであおぐよりもずっと大きな熱量を空気中に逃がすことができます。つまり、冷却の効率がよくなります。温度差のある物体の仲立ちをして、熱の伝わる効率をよくするためのしくみを熱交換器といいます。エアコンは室内機、室外機のそれぞれに熱交換器があり、離れた場所へ熱を運んでいますが、通常の熱交換器とは逆の方向に、強制的に熱を移動することで暖房や冷房を行っています。このようなしくみはヒートポンプと呼ばれ、熱交換器とともに広く使われています。

  • 燃料電池

    燃料電池とは、燃料の水素を空気中の酸素を化学反応させて水と電気を発生させる発電装置の一種です。開発の歴史は長く、1801年にデービー卿(英国)によって原理が発明され、1965年にアメリカで実用化されました。発電時に温暖化の原因である二酸化炭素や大気汚染の原因になる窒素酸化物を発生しない環境への優しい発電装置です。化学反応によって電気エネルギーに変換するためエネルギー損失が少なく、また、発電時に発生する熱も同時に利用することができるため、エネルギー効率の高い発電と言えます。発電時の騒音や振動も非常に少ないため、設置場所にも柔軟に対応できます。大規模の発電から自動車や家庭用電源、パソコンや携帯の電源と大きさに柔軟性があり、幅広い用途を持っています。以上のような多くの長所を持つ反面、初期投資としての燃料電池のコストの高さと、ランニングコストとしての水素の調達価格の高さが普及の妨げとなっています。

ハ行
  • 配線用遮断器

    配線用遮断器とは、ブレーカーなどとも呼ばれ、回路に流れる電流が一定以上になると電流を遮断して、回路や電源を保護する役割を持つ器具です。機能としてはヒューズとよく似ていますが、交換の必要がなく何回でも使えることに加えて動作の特性がよいので、負荷となる回路や電気器具をより確実に守ることができます。配線用遮断器はヒューズの置き換えとして普及し、漏電したときに働く漏電ブレーカーは、どの家庭でもお馴染みになりました。また、制限する電流をモーターに合わせたものや、外部からの信号で遮断するなど、いろいろなバリエーションも展開されています。特に、3相3線式で1相が停止するような状態(欠相)への対応はヒューズでは実現できなかったもので、モーターの焼損や電気火災を防ぐために大変便利な機能です。

  • 配電盤

    配電盤とは、電力会社から電力を受ける受電点に設置されている電気設備のことです。配電盤の先には、配線用遮断器や漏電遮断器といった各種ブレーカー、電力量計、制御装置を収容してある電盤を設置して、照明器具、電化製品、空調機、コンセントなどへと電気を供給します。キュービクル(高圧受変電設備)や高圧受変電設備とも呼ばれており、建築の電気設備配置図ではキュービクルと表記されることがあります。電気を使用する場所は発電設備から数十kmから数百km離れた位置にあることが一般的であり、送電時の損失を低めるために発電設備から高圧で送電されていますが、配電盤で高圧を低圧に変圧して各種機器で利用できるようにしています。

  • バスダクト

    バスダクトとは、H鋼に似た形状をしていて、アルミまたは銅を導体として、導体の外側を絶縁物で覆った幹線用の部材のことです。バスダクトの側面はプラグイン用遮断器を接続するためのクリップが設けられており、バスダクトの外側には耐熱性に優れたポリ塩化ビニル(PVC)で絶縁されていて、表面にはケーブルラックに使用されているメラミン樹脂の焼付塗装が施されているのが一般的です。バスダクトは数千アンペアの許容電流があるため、それをメイン幹線として敷設する手法を採用することでコストパフォーマンスの改善や、施工性の向上を図る事ができる反面、バスダクトは単価が高いため曲がりが多い等の施工性が悪い場合、逆にコストアップになることがあります。施工のし易さなどについても十分な検討が必要です。

  • パーセントインピーダンス

    パーセントインピーダンスとは、変圧器などの特性を表す数値の1つで、変圧器をメーカーが定めた電流で使っているとき、コイルに電流が流れることによって電圧降下を起こしますが、この電圧と定格電圧の割合を百分率(%)で表したものです。この値が小さいほど、大きな電流を流したときの電圧降下が小さいことを意味しています。コイルを太くするなどの方法でこの値は小さくなり、変圧器の性能はよくなりますが、コストがかかることや、万一短絡事故が起こると非常に大きな電流が流れるため、むやみに変圧器だけの性能をよくしても無駄になることがわかります。パーセントインピーダンスは変圧器以外の動作状態のシミュレーションにも使われますが、値を百分率(%)にしておくことによって、電圧や電流が異なる状況でも比較できるようになっています。

  • 発電機

    発電機とは、電磁誘導の原理を用いて電気エネルギーを得る電力機器です。発電機は発生させる電力の種類から直流発電機および交流発電機に分けることができます。また、その動力源として火力発電、原子力発電、地熱発電、太陽熱発電などの蒸気タービン方式や、水力発電、風力発電などがあります。人間が手回しハンドルや足漕ぎペダルを回転させることによって発電させるものは人力発電と呼びます。原子力発電は発電コストが安く安定した供給が可能ですが放射性物質のリスクがある、風力発電は再生可能エネルギーを用いるため環境汚染の可能性がありませんが低周波音や騒音問題の恐れがあるといったように、それぞれの方式にメリットとデメリットがあります。オフィスビルや商業ビルでは非常用発電機として内燃機関という方式のディーゼル発電機やガス発電機が設置されていることが多いです。

  • 発電所

    発電所とは、様々なエネルギーを電気エネルギーに変換する施設で、発電設備や送電設備、運用・管理する人的組織等で構成されます。エネルギー源によって、水力発電所(水の落下エネルギー)、火力発電所(燃焼による熱エネルギー)、原子力発電所(核反応による熱エネルギー)、風力発電所(風の運動エネルギー)、潮力発電所(潮の干満の位置エネルギー)、地熱発電所(地熱による熱エネルギー)等があります。日本においては火力発電所の発電量が全体の過半数を占めています。大気汚染等のイメージが強い火力発電ですが、日本は環境対策も徹底しており、最先端技術を活用し、世界トップレベルのクリーンな石炭火力発電所「磯子火力発電所」(電源開発株式会社)等があります。

  • バリスタ(雷保護装置)

    一定以上の電圧で電気抵抗が低下し電流が流れだす電気特性を持つ電流非直線性素子をバリスタ(雷保護装置)と言います。バリアブル・レジスタの省略形で、「変化する抵抗器」を意味しています。電気回路や電子回路に並列に接続し、高電圧印加時にバリスタの電気抵抗が低くなることで、電流がバリスタに流れ回路を保護します。このようにバリスタは雷サージ、静電気などの異常電圧の吸収など、電子機器を保護する素子として使用されます。サージの印加がない場合は最大定格内の回路電圧および周囲温度で使用した場合の寿命は100年以上です。ただし、定格以上のサージ印加時は劣化しますが、雷サージの場合はサージエネルギーやサージ波形、サージ発生の頻度が不定のため、寿命も決まっていません。劣化度合いは漏れ電流測定によって判別することができ、通常は1μAとなりますが、10μA以上の漏れ電流が測定された場合は、劣化の傾向があると判断し、交換が推奨されています。

  • バンク逆潮流

    バンク逆潮流とは、配電系統に対して系統連系された事業所や家庭の余剰電量が急増し、変電所の受電能力を超える電力が流れ込んだ状態のことです。バンク逆潮流が原因で、配電線の電圧品質の劣化や保護強調の不良など、電力の安定的な供給に支障をきたす恐れがあります。このため、2011年以降メガソーラ発電所の建設が建設されようとしましたが、電力会社の系統に接続できない事例が多発することになりました。太陽光発電は太陽の日照状況によって発電量に大きなブレが出るため、バンク逆潮流を防ぐための措置は電力会社にとっても大きな負担となったからです。そこで、2013年5月31日に配電用変電所バンク逆潮流に係る「電気設備の技術基準の解釈」、「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」が改正され、電力会社が発電事業者側にバンク逆潮流に対する配電用変電所の設備対策工事に関わる費用負担を求めることで接続が認められるようになりました。ただし、改修工事が多発し、工事待ちの状況が長く続くことで、メガソーラの建設がストップしているという問題も発生しています。

  • ピークカット

    デマンドという言葉を聞いたことがありますか。インターネット配信やケーブルテレビなどで、よく使われる「オンデマンド」という言葉は最近定着してきたようです。こちらは、需要に応じて楽曲や番組を購入することができるものですが、電力のデマンドといえば、30分間の最大需要電力を指します。これは過去の実績や、電力会社と需要家の契約で決まります。電力会社では全需要家のデマンドをもとにして電力供給の計画を立て、準備します。したがって決められたデマンドを上回って電力を使う需要家が多いと、電力供給が追いつかない、あるいは需要を満たすために他の電力会社から電力を調達するとコストがかさむなど、不都合なことが起こります。そこで、デマンドを越えて電力を使うと、違約金などの罰則を科せられることがあります。このため、需要家ではデマンドを越えないように電力を調整する必要があります。例えば、夏場のエアコンの電力が最大となるとき、照明の電力を抑えるなどの方法があります。このように、電力の消費を抑えてデマンドを越えないようにする方法をピークカットといいます。

  • ピークシフト

    最近、ハイブリッド車の売れ行きが好調です。ハイブリッド車ではバッテリに蓄えた電力でモーターを回し、できるだけガソリン消費を抑えるようになっています。これと同じようなことができれば、工場や店舗の電力消費のピークをずらして、デマンド(30分間単位の最大需要電力)を抑えることができます。このような方法をピークシフトといいます。ピークシフトのためにエネルギーを蓄える方法にはいろいろあります。例えば、電力以外のエネルギーに変換して蓄える方法として、冬に氷を作っておき、夏に冷房のために使う方法、深夜電力を利用してお湯を作っておく方法があります。しかし最近では、電力としてバッテリに蓄える方法が増えてきています。これは、ハイブリッド車をはじめ、いろいろな分野で高効率なバッテリが大量に使われるようになり、バッテリのコストが小さくなってきたことや、バッテリの性能そのものが向上したことによるところが大きいと考えられます。また、蓄えた電力を一つの用途ではなく、いろいろな用途に使えるのもバッテリによるピークシフトが注目される理由になっています。

  • 皮相電力

    皮相電力とは、抵抗以外の負荷に流れる電流の位相が進んだり遅れたりすることによって生じる電力です。交流は、電圧が時間とともに周期的に変化しますが、コイルやコンデンサに流れる電流は、加えられた電圧に対して一定の割合で早めに変化したり、遅めに変化したりします。このため、電圧と電流の積である電力には、時間軸上でずれた部分ができてしまい、この部分は電力として働いてくれません。この電力を無効電力といい、無効電力を含んだ全体の電力を皮相電力といいます。したがって、皮相電力から無効電力を差し引いた電力だけが実際に働く電力なので、有効電力といいます。また、皮相電力に対する有効電力の割合を力率といいます。皮相電力がむやみに多い場合には電線を必要以上に太くしなければならず不経済ですが、電力会社にとっても負担となるので、電気設備の力率には一定の限度が設けられています。

  • ヒートポンプ

    ヒートポンプとは、熱エネルギーを移動させる技術のことで、太陽熱、地熱、水熱、空気熱等の熱エネルギーを膨張や圧縮させることで増幅し放出することができるものです。空気熱ヒートポンプが使用されているエアコンは、空気熱を冷媒に乗せ移動させることで冷房・暖房として利用しています。その他にも、地中熱を利用した地中熱ヒートポンプなどがあります。ヒートポンプの性能はCoefficient of Performance(=COP)であり、出力電力を入力電力で割った値です。COPが高いほど、少ないエネルギーで大きなエネルギーを出力できたという意味から、能力が高い機械という評価になります。近年では省エネが注目されてきており、ヒートポンプを使用した省エネ家電が電気代も節約できると人気です。

  • 避雷器

    避雷器とは、発電、送電などを行う電力機器や電力供給を受ける回線などを落雷から保護する装置です。また電子機器やコンピュータを保護するための避雷器も存在します。雷の電圧が電気機器に流れた場合、絶縁体が破壊され、機器は損傷してしまいます。避雷器の役目は、落雷などにより発生する異常な高電圧を、電子機器の絶縁体が絶縁状態を保てなくなる電圧よりも下げることで、電子機器の損傷を防ぐことです。避雷器は、人命に関わることもあるため、米国では法制度が整備され、雷対策によるシステム設計・施工は専門資格者が行い、一般家庭で使用する避雷器に関しても家電製品同様の規定が設けられています。しかし現在日本では、このような制度や制限がないのが実状です。

  • フィードバック制御

    フィードバック制御とは、機器やシステムを制御するための制御方式の一つで、フィードバックという原理を基に設計された制御方式のことを指します。フィードバック制御の基本的な原理は、機器やシステムの出力結果を目標値である出力値と比較して、その結果を入力値へ反映させることです。そのためフィードバック制御を導入することで安定したシステム設計が可能になります。身近なものでは、エアコンにフィードバック制御が活用されています。エアコンで設定した設定温度(目標値)と実際の室温(出力値)を比較して、温度に差があれば、その温度の差分を入力値へ反映させることで室温が設定温度(目標値)になるようにフィードバック制御されています。

  • 負荷開閉器

    負荷開閉器とは、負荷電流が流れる回路の高圧側(一次側)に設けられる開閉器(スイッチ)を指します。単に開閉器のことを指しているため、基本的にはその他の機能、例えば電流制限の機能を有しておらず、何らかの原因で回路に短絡が発生しても、異常電流を遮断することはできず、その場合回路の損傷を防ぐことはできません。代表的なものに高圧交流負荷開閉器がありさらに、区分開閉器や高圧交流気中負荷開閉器、高圧交流真空負荷開閉器などに分類されます。例えば区分開閉器は電柱の上部に設置されている、発電所や変電所から送電された高圧を家庭用の低圧に変換するための変圧器の高圧側(一次側)に設置されています。過電流や短絡電流を遮断し回路を保護するために、電力ヒューズが合わせて取り付けられていることが多いです。

  • 不足電圧継電器

    不足電圧継電器とは、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置である継電器の一種です。交流不足電圧継電器というものもありますが、ここでは直流不足電圧継電器について説明します。とはいえ、交流不足電圧継電器との違いは不足電圧を検出する対象が交流回路であるか直流回路であるかになります。用途は直流回路の不足電圧を検出した際に警告する、電圧低下による変動や能力低下の監視をするなどです。表記は英語のUndervoltage Relaysの頭文字をとったURが一般的に使われています。直流不足電圧継電器は動作時間および動作電圧をスイッチなどで整定することのできるタイプの製品が広く流通しています。

  • 不足電流継電器

    不足電流継電器とは、ある条件の状態になったときや条件が電気回路を開閉する電力装置である継電器の一種です。電路の電流不足を検出した場合に動作するため、産業設備や装置における電流の監視を目的として設置されることが多いです。したがって、軽負荷および断線の検出を目的として設置されることがあります。不足電流継電器は動作時間および動作電流をスイッチなどで整定することができます。動作時間は0.1-30秒の範囲で整定できる製品が多いですが、動作電流は製品によって異なります。なお、英語ではUndercurrent Relaysと言いますが、不足電圧継電器(UR)との混同を避けるためか、表記はUCRが一般的に使われています。

  • 分電盤

    分電盤とは、配線用遮断器や漏電遮断器といった各種ブレーカー、電力量計、制御装置を取り付けた収容箱のことです。電力会社から受電点に設置されている配電盤から分電盤の一次側幹線へと電力が供給されます。一次側幹線が接続される主幹には系統全体の過負荷保護や漏電保護のため、配線用遮断器や漏電遮断器が使用されます。分電盤の二次側には分岐遮断器が複数配置されます。分岐遮断器は、照明器具、電化製品、空調機、コンセントなど、供給する電源の負荷の種類・種別で区分します。一般住宅向けとしては、住宅用分電盤として電流制限器が取り付けられるようにスペースが設けられているものがあり、また、30A~100Aの主幹容量から用途に合わせて選択することが可能です。

  • 粉体塗装

    塗装の方法は、その工程をどのような観点で見るかによっていろいろな分類がされています。塗料を対象物に付着させる方法として電着塗装があります。一般の塗料は、シンナーなどと呼ばれる有機溶剤で塗料の本体となる樹脂などを溶かしたものが多いのですが、電着塗装に使われる塗料は一般の塗料とちがい、溶剤を含みません。塗料は粉末状の個体なので、材料の種類という観点から見ると、これは粉体塗装となります。粉体塗装は必ずしも電着によるとは限りませんが、共通な工程を指すことは多いようです。粉体塗装の特徴も、電着塗装と共通なところが多いのですが、主な長所は膜厚のコントロールがしやすく、均一で塗り残しがないことです。また、余った粉体を回収し、再利用することも可能です。

  • 並列冗長運転

    並列冗長運転とは、コンピューター、通信システムなどにおいて、設備の故障などによるシステムの停止を防ぐために、全く同じサブシステムを複数台常に稼働させておいて、一つのサブシステムに障害が発生した際にも、残りのサブシステムが負荷をカバーして稼働することで、全体のシステム運用を止めないようにする運転方法です。停電時のシステム停止を防ぎ、また設置したUPSの故障による運転停止を防ぐために、複数台のUPSを設置するのもその一例です。複数のサブシステムが常に並行して処理を行うため、システム全体が停止するリスクが少ない信頼性の高さが特徴です。ただし、通常、サブシステムのスペックを同じものにしなくてはいけない点、分散処理のため、サブシステムの負荷は低くなり運用効率が低下する点などの短所があります。

  • 変圧器

    変圧器とは、変動する磁束により導体に電圧が発生する電磁誘導の法則を用いて、交流電力の電圧を変換する電気機器または部品のことです。英語のトランスフォーマーを略したトランス、場合により変成器と呼ばれることがあります。変圧器の内部には複数のコイルがあり、特に2個のコイルからなる変圧器では入力側を一次コイル、出力側を二次コイルと呼びます。このとき、交流電源を一次コイルに接続して電流を流すと変動磁場が発生、それが二次コイルへと伝わり、二次コイル側で電流に変換して出力する。変圧器で電圧を変換することを変圧、電圧を上昇させることを昇圧、電圧を下降させることを降圧といいます。単相交流を入出力とする単相変圧器、三相交流を入出力とする三相交流変圧器のほか、結線などによって様々な種類の変圧器が存在します。

  • 変電所

    変電所は、電気の電圧を変える(変圧)施設です。変電所には超高圧変電所、一次変電所、二次変電所、配電用変電所等があり、発電所で作られた電気はそれぞれの変電所を通るたびに徐々に電圧を落とし、住宅や工場などに届けられます。高い電圧で送電するのは、送電線に電流が流れると、電気抵抗のため熱(ジュール熱)が発生し、発生した分だけ電気がロスしてしまうからです。ロスを減らすために、同じ電力の電圧と電流は反比例する性質を利用し、電圧を上げることで電流を少なくしています。また、変電所では変圧だけではなく、設備が故障したときに自動的に電気を切る遮断機や、送電設備を点検するときに電気を切る断路器、落雷が落ちた際に電気を地面に逃がすための避雷器等の安全装置を備えています。

  • 変流器

    変流器とは、電流の大きさを変えるための装置であり、大電流を測定する際や過電流継電器などの保護継電器を動作させる場合に使われます。変流器は変圧器と同じように鉄心とコイルを有しており、その巻数によって電流値を扱いやすい電流値へと変換します。入力側の一次電流の値が120Aで出力側の二次電流の値が5Aであるとき、一次側および二次側の電流値の比率を120/5として表し、これを変流比もしくはCT比と呼びます。CTは変流器の英語名Current Transferに由来します。なお、変流器は一次導体の構成によってコイルの巻き線型、棒状の導体が貫通する棒型、測定する電線を貫通させた貫通型に分類することができます。

  • ホットスポット現象

    ホットスポット現象とは、太陽光発電システムのパネル内にて大きな抵抗がかかり、その部分が熱を持つ現象のことです。大きな抵抗がかかってしまうのは、ハンダ不良等の製造上の不具合によるセルの破損や鳥のフン、落ち葉の付着等によりパネル部の一部が影になることが原因です。影になった状態が短期間であれば問題ありませんが、長期間続くとセルの破損や発火が起こる可能性があります。これは、太陽光パネルがセル間・ストリング間を直列接続で構成しているため、影になり発電をしないパネルが抵抗体となり、発熱やシステム全体の発電量の低下が起こるためです。ホットスポット現象の対策の1つとしてバイパスダイオードを太陽電池に並列接続することがあります。抵抗となった部分に流れる電流をバイパスダイオードに流すことで、抵抗となった部分を保護し、システムの発電量の低下を防ぐことができるのです。

  • 放電コイル

    力率改善や電圧調整等の目的で交流回路の負荷と並列に接続して使用し、コンデンサに常時併用され、コンデンサを回路から切り離した時の残留電荷を短時間に放電させる目的で放電コイルが用いられます。なお、すべてのコンデンサは放電抵抗を内蔵しているため、放電することはできますが、放電抵抗では放電時間が長くかかるため、短時間で放電することのできる放電コイルが必要となります。放電コイルの種類は屋外用として油入式、屋内やキュービクル用には乾式のものが使用されます。乾式のモールド放電コイルはエポキシ樹脂でモールドされており、耐温や耐久性に優れています。また、油を使用していないため、保守や点検が容易です。放電コイルは直列リアクトルによる過電圧を避けるため、直列リアクトルの電源側に接続する必要があります。

  • 保護協調

    保護協調とは、受変電設備における電力系統に発生する様々な異常により引き起こされる事故を未然に防ぎ、なおかつ万が一事故が発生した場合であっても、事故が発生した回路のみを切り離し、トラブルの拡大を防止する役目を持つ保護機器間の調整を行うことです。保護協調の主目的は、事故発生箇所を速やかに切り離し、正常箇所への給電を継続し、動作を確保、維持することにあります。保護協調を検討する際に考慮されるべき基本的な事項として、機器やケーブルなどの過電流、過電圧保護のための耐量、変圧器やコンデンサといった負荷機器に発生する突入電流、保護継電器をはじめとする保護装置毎の動作特性が挙げられます。保護協調の意味する内容は保護する対象、例えばケーブル、変圧器などの機器毎の目的や用途により変わります。

  • 保護等級(IP)

    保護等級(IP)とは電気機器の防塵性能と防水性能を数値化した指標です。屋外に設置する電気機器は雨や湿度に対する防水性能が保証されていない場合、内部に入り込んた水分によって、地絡や漏電の恐れが生じます。また、砂埃や粉塵の多い場所に設置された電子機器の気密性、防塵性能が保証されていない場合、内部に入り込んだ粉塵などによって動作不良を起こすことも考えられます。ただし、すべての機器において、完璧な防水性、防塵性を求めることは不要です。そこで、防塵性能を7段階(0:保護なし〜6:粉塵が内部に入らない)、防水性能を9段階(0:保護なし〜8:水没時の保護)に分けて、防塵、防水性能を表すことで、設置場所、使用条件にあった電子機器の性能を表します。実際の表記については、防塵、防水性能を同時に表記する場合は、IP23(2が防塵性能:直径12.5mmの外来固形物まで保護、3が防水性能:防雨形)と表記し、どちらかの保護等級を省略する際はXとして、IP2X(防塵性能:直径12.5mmの外来固形物まで保護、防水性能表記なし)、IPX3(防水性能:防雨形、防塵性能表記なし)とします。また、防水性能については、短時間にかかる水圧に対する防水性能(IPX1〜6)と水中における防水性能(IPX7〜8)に分けられているため、IPX5/IPX7などと表記されることもあります。ただし、防水性能については常温の真水にて試験が行われますので、海水や温水等でも同じ防水性能を持つわけではないことに注意が必要です。

  • 防振架台

    深夜など、静かになったときに家電品などの電気機器から小さな音が出ているのに気づいたことはありませんか。これは電気機器の故障ではなく、電流が流れているもののほとんどが、わずかに振動していることによります。特に家庭や工場で使用する交流電流が流れている場合、ブーンと耳障りな音になって聞こえます。扱う電力が大変大きな工場のトランスなどでは、音だけでなく振動そのものが問題になります。長い年月の間には、測定器類の誤差が大きくなったり、電線の絶縁体がすり減ったり、固定しているねじやボルトが緩んだりします。また、機器自身の振動に加えて、外部からの振動(揺れ)も電気設備に影響を与えます。大きな電流が流れているトランスが地震で大きく傾けば、これにつながっている電線も引っ張られて、連鎖的な事故の原因になることもあります。振動や揺れによる悪い影響ができるだけ小さくなるように設備や機器を設置するためには、とにかく頑丈に固定する方法、多少の振動では影響が出ないような機器の選定などのほか、揺れや振動をゴムやばねを介して吸収する方法があります。このような目的で、機器を設置するための架台に機器の振動や接地面の揺れを吸収するしくみを持たせたものを防振架台と呼びます。このようなことへの対策は、阪神・淡路大震災以降、特に注目されるようになりました。

マ行
  • マンセル 塗装色

    マンセル 塗装色とは色の三属性(色相、明度、彩度)で色を定量的に表現する体系の1つです。アメリカの画家A.H.マンセルが創案し、1905年に発表されました。色相については、赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)、紫(P)、とそれぞれの中間色の10段階を基本色として、円環状に並べ、さらにその10段階の分類をそれぞれ10分割して表現します。それぞれ10分割した色に対し、1〜10の番号を振って、基本色を5とします。例えば、赤の基本色は5Rです。明度は色の明るさを示します、最も明るい白を10、最も暗い黒を0として、その間を9等分して合計11段階に分けて番号で表現します。さらに0.5刻みで表現できます。有彩色の場合には色相の後に数値をつけて表現しますが、無彩色での白、黒、灰色はNの後に数値をつけて表現します。実際に白はN9.5、黒はN1.5と表記します。彩度は、色の鮮やかさを表します。色の無い無彩色は彩度0で、色の鮮やかさによって数値が大きくなります。色相や明度によって、彩度の最大値が変わり、最大で14、最低で10が彩度の上限です。これらの3つの要素を使って、5R7.5/4やN3.5などという記号で色を表現します。マンセルシステムでの色指定は実際の塗料の色と全く一致するわけでは無いので、実際の色の指定については注意が必要となります。

  • 無効電力計

    無効電力計とは、変圧器、負荷機器などの交流回路の無効電力を計測し、表示する電気計器です。無効電力は負荷によって消費されない電力で、電力機器を動作させる際の電圧の調整に利用されるもので、無効電力計は内部で力率が1の時に電流コイルの電流と電圧コイルの電流の位相差が一定値になるように調整がなされています。無効電力には遅れ無効電力と進み無効電力があり、前者は送電時、電流の周囲空間に磁界が発生することにより、消費されるエネルギーのことであり、誘導負荷によって生じる無効電力で、後者は電圧印加によって消費されるエネルギーのことであり、容量負荷による無効電力のことです。無効電力を供給したり、消費したりする設備として電力用コンデンサや同期調相機などが挙げられます。

  • 無停電電源装置

    無停電電源装置とは、使用する機器と入力電源との間に接続して、停電などにより入力電源が断になった場合であっても接続されている機器に対して一定の時間、電力を供給し続ける電源装置のことです。日本では一般に、商用交流電源に接続して使用する、交流入出力のUPS(Uninterruptible Power Supply)を指すことが多いです。電圧低下・停電が許されないコンピュータや、通信・防災・制御機器、放送機器などに接続して使用されます。無停電電源装置は、コンバータで電力を交流(AC)から直流(DC)に変換して蓄電池に充電、交流入力側の電源異常に無瞬断でUPS電源に切り替え、蓄電池の電力をインバータで直流(DC)から交流(AC)に変換して出力します。

  • メラミン焼付塗装

    メラミン焼付塗装とは、加熱による重合反応を利用した塗装法である焼付塗装の一種で、焼付塗装の中でも比較的低温かつ短時間で施工できる特徴があり、性能も平均的であるため、金属の塗装に一般的によく使用されています。紫外線により退色しやすいなど耐候性が高くないため、屋外での使用には向きませんが、屋内限定で使用するロッカーや事務机、ケーブルラックなどではよく利用されています。屋外で使用される製品には、より耐候性の高いアクリル樹脂焼付塗装がよく利用されています。焼付塗装は塗膜の硬度が高いので傷が入りにくいなどのメリットがあり、その中でもメラミン焼付塗装は特に塗膜の硬度が高いのが特徴ですが、柔軟性がないため、曲げなどの力が働くと塗膜が割れやすく、形状が変化するような製品には不向きです。

  • モールド変圧器

    モールド変圧器とは、油入り変圧器の大型で可燃性が高いといったデメリットを払拭した変圧器で、表面が樹脂で覆われた構造になっています。モールド変圧器は、小型かつ軽量で、ほこりや湿気に強く、不燃性であるため設置場所の自由度が高いというメリットがありますが、熱対策、結露対策、騒音対策、振動対策など、油入変圧器よりもしっかりとした対策を講じる必要があります。冷却方式としては、自冷式が一般的で、空気の対流により冷却を行うので、冷却のための特別な部品などは必要なく、メンテナンスの手間も大幅に抑えることができます。なお、モールド変圧器は油入変圧器と比べると過負荷に弱いので、変圧器の選定の際は過負荷運転の状況に関しても考慮する必要があります。

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  • 油入変圧器

    油入変圧器とは、絶縁や冷却を目的として内部に絶縁油を満たした構造の変圧器のことです。安価であり、熱に強く、低騒音であるため、最も普及している一般的な変圧器です。デメリットとしては、サイズや重量が大きくなってしまうため、じゅうぶんな設置スペースの確保が必要なことや、可燃性の高い油を利用しているため、設置場所に配慮するとともに適切な消火設備などを設置する必要があることなどが挙げられます。油入変圧器は、冷却方法によって自冷式と風冷式に分けられます。自冷式の場合、油の対流により放熱する方式なので、構造が簡易で運用の手間もあまりかからないため、特に小規模の建物では一般的に自冷式がよく使われています。風冷式の場合、換気ファンを回して強制的に冷却する方式なので、冷却能力は高くなりますが、構造が複雑になりメンテナンスの手間もかかるため、比較的大規模な設備で採用されるのが一般的です。

  • 有効電力

    有効電力とは、交流回路における3つの電力のうちのひとつであり、負荷が消費する電力のことを有効電力と呼んでいます。これに対し、負荷が消費しない電力は無効電力と呼ばれます。電源から送り出される皮相電力のうち、負荷で消費されるのが有効電力で、消費されないのが無効電力ということになります。有効電力の単位はワットで、家電製品などに表示されている消費電力の値は、この有効電力のことを表しています。皮相電力に対する有効電力の割合を力率と呼び、その値が1に近いほど理想的とされるため、有効電力の割合を高めて力率を改善するために、無効電力補償装置などで無効電力を制御します。一般家庭で電力会社から購入して消費している電力がまさにこの有効電力であり、その有効電力の使用量をもとに電気料金が請求されています。

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  • リアクタンス

    リアクタンスとは、コイルやコンデンサの電流と電圧の比率のことです。リアクタンスを求める数式は、電圧÷電流となり、単位もオームを使うことから、式としては抵抗と同じになりますが、抵抗が実際にエネルギーを消費するのに対し、リアクタンスはエネルギー消費がなく、言わば疑似的な抵抗であるという点が異なります。リアクタンスには、誘導性と容量性の2種類があり、コイルに関連したものを誘導性リアクタンス、コンデンサに関連したものを容量性リアクタンスと呼びます。誘導性の場合は周波数が高くなると電流を通しにくくなり、容量性の場合は周波数が高くなると逆に電流を通しにくくなる特徴があります。リアクタンスを得るための装置をリアクトルと呼び、力率改善など様々な目的で使われています。

  • リアクトル

    リアクトルとは、力率改善や高調波の抑制などを目的として、電流を一定に保つためにインバーターに接続する受動素子のことです。接続をインバーターの入力側にした場合と出力側にした場合とでそれぞれに効果があり、入力側に接続した場合は、力率の改善、高調波の抑制、電源協調など、出力側に接続した場合は、サージ電圧の抑制やノイズの抑制などの効果が得られます。リアクトルは、構造上の分類では大きく空心形リアクトルと鉄心形リアクトルに分かれ、さらに目的に合わせて、突入電流を抑制する始動リアクトル、異常電圧を抑制する分路リアクトル、短絡電流を抑制する限流リアクトルなど、様々な種類のリアクトルが使われ、数種類のリアクトルを併用するケースもあります。

  • リアクトル接地

    変圧器の1次、2次側に電気的に中立な点(中性点)を設けて接地することを中性点接地といいます。その1つの方法として、導線によって直接接地するのではなく、リアクトルを介して接地する方法があります。これをリアクトル接地といいます。リアクトルというと難しく聞こえますが、コイルのようなものです。これに電流を流そうとすると、変化を妨げようとする性質を持っています。これによって、地絡事故が起こったときに流れる電流を、抵抗接地と同様に軽減します。厳密にいえば、リアクトルだけのはたらきではなく、変圧器から電気を使う機器(負荷といいます)までの電線が持っているコンデンサの性質を合わせて、最適な値のリアクトル(並列共振)を選ぶと、流れる電流が最も小さくなります。

  • 力率

    力率(りきりつ)とは、有効電力÷皮相電力により求められる割合のことで、1に近いほど理想的な状態となります。力率は、電源から流れた電力がどれだけきちんと消費されているかを表すために用いられるものです。力率が下がると、無駄に大きな電源を用意する必要が出てきたり、送電のために必要以上の設備投資が必要になったり、電圧が低下するなど、様々な弊害が生じます。特に電力会社などは、力率が悪いと電気料金の高騰や経営の圧迫につながるため、その改善に力を入れています。力率を改善するには、電圧と電流のずれ(位相差)をなくすことが必要であり、そのために進相コンデンサの取り付けにより位相のずれを解消するなどの対策が取られています。

  • 力率計

    力率計(りきりつけい)とは、力率を測定する測定器のことです。力率とは、有効電力と皮相電力の比率のことで、計算式により求めることができますが、力率計があれば直接力率を計測することが可能です。使い方は、電源側と負荷側をつないでいる2本の線を力率計につなぎ、メーターを読みます。力率計の目盛りは、メーカーなどによっていくつか種類がありますが、アナログ式の場合、0.5~1~0.5などのように左右対称の目盛りがあり、12時の方向が力率1を表し、左方向に遅れを、右方向に進みを表すのが一般的です。なお、力率計がなくても、オシロスコープにより電流ベクトルと電圧ベクトルを測定し、その位相差から力率を求めることも可能です。

  • リチウムイオン電池

    リチウムイオン電池はリチウムイオンの酸化・還元反応により充電・放電が可能な2次電池です。構造として正極・負極・電解質で構成され、正極にリチウム酸化物、負極に黒鉛、電解質に液状もしくはゲル状のリチウム塩の有機電解質が使われています。リチウムイオン電池の特徴として、ニカド電池やニッケル水素電池の約3倍の電圧を得ることができ、エネルギー密度も高いため、同じ容量の電池が小さく軽い電池を作ることが挙げられます。また、繰り返し使える回数が他の電池に比べ2〜3倍程度多いので長く使うことができます。さらに自己放電率が低い、高速充電が可能、使用温度範囲が広いという点も長所として挙げられます。導入当初は高価でしたが、生産量の増加と価格競争、メーカーの増加によって低価格化が進んでいます。現状では普及の進んだ優れた2次電池と言えるでしょう。ただし、製造時の異物混入や電池の放充電の制御ミスなどが原因となる発熱、発火事故が起こるなど、他の電池に比べ製造上、取扱上の注意が必要なため、様々な安全対策が取られ利用されています。

  • 励磁突入電流

    励磁突入電流(インラッシュ電流)とは、停止中の変圧器を電源に接続して電圧をかけたときに一時的に流れる大きな電流のことです。この励磁突入電流は、著しく大きな電流となる場合があり、その大きさは、変圧器の設計や遮断器の投入位相などにもよりますが、おおむね変圧器の定格電流の5倍から10倍以上に達するケースもあります。一時的とはいえ、これだけ大きな電流が流れると、変圧器にも様々な影響があり、それを引き金としてのトラブルも発生することがあります。誤作動などの原因となる場合があるので、運用面で様々な対策を取ることが求められます。励磁突入電流という名称は、この大きな電流が変圧器の鉄心を励磁することに由来します。

  • 零相電圧検出装置

    零相電圧検出装置(ZPD)とは、配電系統において零送電圧を高い精度で監視、検出するための装置です。配電線や送受電設備に広く採用されている6kv配電系統では中性点が非接地であるがゆえに、地絡電流が微細で負荷電流との区別が非常に難しく、地絡故障時の線間電圧の変動がほとんど認められません。そのため、過電流継電器やヒューズによって故障箇所を特定し、除去することは困難です。地絡を検出するという意味では接地変圧器も候補となりますが、この装置を受電設備に接地した場合、系統の対地インピーダンスが小さくなるなどの理由で不適であるため、各相の対地電圧を検出用コンデンサで一定比率で分圧し、比例した電圧を取り出すことで継電器の接続による影響を防ぎ、かつ継電器回路を各系統から分離絶縁できるZPDが採用されます。

  • 零相変流器

    零相変流器(ZCT)とは、地絡事故時の零相電流の検出する装置です。特徴として、3相分の電線を一括して変流器に貫通させ、いずれか1線で地絡が発生すると電流が流れて3相のバランスが崩れてベクトル和が0にならず2次側電流としてとして出力されるメカニズムを利用していることが挙げられます。2次側には地絡継電器を接続し、地絡時にはこの継電器が動作し、遮断機が開放されることで素早く故障箇所を電気回路から切り離し可能となります。零相変流器は、継電器、遮断機とともに漏電遮断機に内蔵され、その中で事故検知の役割を果たし、場合によっては人命に関わる事故や火災をはじめとする災害を引き起こす可能性のある漏電を防ぐ一翼を担っています。

  • レギュラーネットワーク

    電力の配電方式の1つに複数の特別高圧または高圧給電(フィーダー)に接続された変圧器を、ネットワークプロテクタを通した網目状の低圧幹線で並行運転させるレギュラーネットワーク方式(低圧ネットワーク方式)があります。22kVや33kVの配電線で使用されることが多く、商店街や繁華街といった特別地域の一般需要家を対象にした供給方式になります。配電線に接続されている断路器およびネットワーク変圧器を経て負荷へ電力を供給します。停電時の動作は、スポットネットワーク方式と同様となり、1回線が停電しても構造が格子状のため、他の需要家に無停電で供給できる信頼度の高い供給方式です。感電等の事故を除去するためにはリミッタヒューズが必須のため、各箇所へ施設されています。

  • 漏電遮断器

    漏電遮断器とは、電気機器の故障等により漏電が発生した場合に、速やかに電気を止めることで感電事故や火災などの災害発生を防ぐ目的で設置される安全装置のことです。ELCBと呼ばれる場合もあります。漏電遮断器は、合成樹脂のケースに覆われ、電源の入/切を操作できるレバーと動作確認用のテストボタンが設置されているのが外観上の特徴です。内部構造は、零相変流器、漏電リレー、遮断器から構成されているのが一般的で、零相変流器が漏電電流を検知すると、電子回路を通じて引き出し装置が電路を遮断することで動作します。漏電は、生命の危険や火災などの深刻な災害を引き起こす原因となるため、湿気や水気のあるところや鉄板等の導電性の高いものがあるところなどでは法律で設置が義務付けられている場合もあります。

  • 六価クロメートめっき

    六価クロムという単語はだいぶ前からマスコミで騒がれていましたが、有害なことはわかっていても、代わる物がないためになかなか脱六価クロムは進みませんでした。めっきといえば金属の表面処理でも代表的なもので、さらにクロムめっきはきれいで、安く、耐久力があり、有害であることが知られなければ、末永く使われていたことでしょう。しかし、慢性的な中毒では肝臓、腎臓への悪影響をはじめ、呼吸障害を起こすこともあり、重篤な症状になることもあります。また、急性では嘔吐や下痢を起こしたりします。場合によっては、触れているだけでも皮膚が侵されたりします。(接触毒性)このようなことから六価クロメートめっきは見直され、これに代わる表面処理が待ち望まれていました。最近になってようやく、三価クロメートめっきという方法が実用化され、徐々に置き換えが進むようになってきました。

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